教育福島0111号(1986年(S61)06月)-022page
できたが、更に改善を加え、今後も研究実践をより一層推進することが全職員の共通理解のもとに決定された。
個々の生徒に即した生徒指導のあり方
−自己実現・自己開発を早期にはかるために−
福島女子高等学校
一、本校の特色
福島女子高等学校は、学級数三十、生徒数千四百名の大規模校である。
生徒の大部分は入学前、それぞれの中学校で上位の学習成績をあげており、将来は大学への進学希望をもっている。
現在までのところ、いわゆる非行と呼ばれる問題行動はごくまれにしか発生していない。しかし、生徒指導に関する問題点がまったくないわけではない。基本的生活習慣の確立が不十分な生徒、日常生活にルーズさが目立つ生徒、進路の選択が具体化できにくい生徒、周囲の期待過剰に耐えかねて自信を喪失する生徒などがあげられる。
本校は福島県教育委員会の指定を受け研究を推進するにあたって、生徒指導を広義の意味にとらえ、「生徒の豊かな人間形成をめざして、個々の生徒の自己実現・自己開発を早期にはかる」ことを柱として取り組むことどした。
二、研究目標・方法・内容
一人一人の生徒をよく理解し、個々の生徒の実態に合った教育課程の編成と展開、生徒の希望する進路の実現、特別活動等を通しての充実した校内活動、規律ある学校生活などを研究目標として定めた。この具現化のために昭和六十年度は、従前の教育活動のほか、表一の項目・方法・内容を加えて実施した。
三、研究の成果
昭和六十年度・六十一年度の二か年間の指定であり研究も緒についたばかりで成果も十分でないが、次の傾向が見られる。
(一) 研究を実践する中で生徒指導に対する全職員の共通理解と積極的な協力が強まった。
(二) 生徒が自分の進路と教科選択などにさらに大きな関心を持ち、学習の取り組みも積極的になった。
(三) 生徒のなかには生徒会組織を通じて、自主的な校風改善の動きが見られるようになった。
(四) 「学年PTAだより」の発行などにより保護者が子供の将来や学校生活に関心を持つようになった。
三十一ペ−ジに続く
表1 研究項目、方法、内容