教育福島0111号(1986年(S61)06月)-031page

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二十二ぺ−ジより続き

 

四、今後の課題

 

昭和六十一年度は、現在までの研究内容を再検討し、さらに充実させるが特に次の事項について、積極的な推進を図りたい。

(一) 将来に対する進路の目標がまだ確立していない生徒もいるので、さらに個人個人の理解に努め、きめ細かい指導を行う。

(二) 生徒の進路の目標達成・非行防止などの面から保護者・出身中学校・地域社会との連携を一層強化する。

(三) 生徒の遅刻防止など基本的生活習慣の形成に一層努力する。

 

生徒指導を効果的なもものとする協力体制のあり方について

県立福島工業高等学校

 

一、本校の特色

 

福島工業高等学校は、昭和二十三年県立信夫高等学校(農業・家庭科)に定時制の工業科として発足し、昭和三十二年、県立福島工業高等学校に校名を改称し現在に至っている。

現在の設置学科は機械、建築、工業化学、電子、電気の五科で、生徒数は男子九百十六名、女子八十四名の計千名、二十四学級の学校である。生徒の通学範囲は広く、二市二郡、四十四の中学校から入学している。

進路状況は就職が八十二%、進学が十六%であり、難度の高い資格を在学中に取得する生徒も多い。

部活動も活発に行われ、バレーボール、卓球、スキー、スケート、重量挙の各部はこれまで全国高等学校総合体育大会にも出場した実績がある。

 

二、研究の基本的方針

 

昭和六十年度より二年間にわたり、生徒指導に関する研究について、文部省から指定を受けるにあたって、本校では、これまで実践してきた生徒指導のあり方を総合的に分析した。その結果、まず、「教職員が衿を正すこと」が浮き彫りされた。そこで、初年度は、生徒のありのままの姿をとらえ、問題解決のための課題を設定することと併せて、教職員の共通理解と一致協力体制の確立を基本方針に据えた。そして、そのための方法として次の事項をきめた。

(一) 全教職員がいずれかのホームルームの担当となり、生徒と接する。学年会はそれらの教職員で構成する。

(二) 研究協議は、全教職員が、校務分掌上の関係から、三グループにわかれ、研究観点別分野の「学習指導」、「ホームルーム」、「学校生活」のそれぞれ一分野を担当して行う。

(三) 研究協議は全教職員参加によって行うことができるよう、そのために必要な時間(単位時間二時間)は特設する。

 

三、研究実践の概要

 

三グループによる研究討議の結果は生徒指導推進委員会に集約され、そこでさらに検討を加え、検討資料が作成される。これがふたたびグループにフィードバックされ協議される研究サイクルが確立された。

研究サイクルの中での研究協議の結果、表1の示すような七委員会が組織ざれ、それぞれ名称が示す内容で課題解決の研究実践が推進されているところである。

 

四、今後の研究計画と研究推進上の課題

 

今後の研究計画は、表2の「生徒指導推進の過程」に示す通りであるが、課題としては次のことが挙げられる。

(一) 各委員会がどのように機能するか

(二) 各委員会間の連携をどのように緊密に保つか

(三) 結果として、生徒がどのように変容するか

 

表1 研究組織

表1 研究組織

 

表2 生徒指導推進の過程

表2 生徒指導推進の過程

 

 

 

 


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