教育福島0111号(1986年(S61)06月)-034page
教えてもらうという意識が強く、自分の考えを持って、すすんで活動ずることが少ない。
(3) 現職教育実践の反省から
昭和五十七、五十八年度の二年間、研究主題「すすんで自然を探究する子どもを育成するために、指導計画の改善、充実をどう図ればよいか」についての研究を進めてきた。その反省の中で次の点が問題点としてのこされた。
○ 児童の実態把握に地域性が十分加味されておらず、指導計画とのかかわらせ方の追究が不十分であること。
○ 再構成された指導計画が、子どもの学習の中に十分生かされていない。
以上の観点等から、当面の本校の教育課題を「すすんで学習する子ともの育成」ととらえるとともに、そのアプローチとして、地域の素材の教材化とその指導を考え、理科の指導を通してその実現を目指すことにした。つまり、地域にある自然の事物・現象を十分に活用しつつ学習のしかたを身につけさせていくならば、子どもの興味、関心を引き出し、学習に対しての意欲を高め、すすんで学習する子どもが育つであろうと考え、本主題を設定した。
(二) 研究の仮説
生活に密着した素材を教材化し子どもの主体的な活動を重視した指導過程を構成して指導したならば、自ら問題解決のために考え、すすんで学びとる子どもが育つようになるだろう。
(三) 研究の基本構想(資料1)
二、研究の概要
(一) 理科学習の投薬仮説と具体的な指導の手だて
研究仮説を検証するために、学年ブロックごとの授業仮説と具体的な指導の手だてを明確におさえ、研究実践の視点とした。 (資料2)
(二) 地域の素材の発掘と教材化
(1) 地域の素材の教材化のねらい
地域の素材の教材化とは、 「指導目標を達成するために、教育内容を有する地域の素材を選びだし、教材として構成することである」と文部省資料で述べている。
本校には、教材となる素材が数多く存在しているが、教材化にあたってはその教材が学習指導要領に基づく指導に適した内容をもち、本校の児童の発達段階や既有の経験からみて、取り扱
資料2 理科学習の授業仮説と具体的な指導の手だて