教育福島0111号(1986年(S61)06月)-046page

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レポート 学校から〜

楽しい学校

 

心を開いて

 

心を開いて

 

心を開いて

子どもの声を・・・・

−教育相談の充実をめざして

 

いじめ、暴力、そして自殺と子どもたちの心の乱れは、学校現場でも教育のあり方、教師の対応のしかた等に大きな問題をなげかけています。

学校教育の中でこれらの問題の解決を図っていくうえでは、一人一人の教師の指導力の向上のみならず、教師集団、学校全体の取り組みが大事であろうといえます。勿論、学校の中だけでの解決は困難ですので、家庭や地域社会、関係する諸機関や団体との密接な連携も不可欠であるといえます。

本誌では、本年度号において、各学校では、この子どもたちのゆれうごく心や行動に対して、具体的にどのように対処し、学習活動やいろいろな教育活動を実践しているかを紹介し、先生方の参考に供することにしました。また、教科指導や部活動指導といった面のみならずへ子どもたちの心にくいこむような指導、教育相談といった教育活動のあり方についての話題を取りあげていく予定です。

本号ではその第一回目として郡山の薫小学校の実践と教育相談やその他の相談機関の施設を紹介しました。

 

いじめない

いじめられない

楽しい学校

郡山市立小学校

 

M子(六年)は、昨年の五月初めに県外より、親・兄弟に見離された形で一人、祖父母のもとに預けられた。家族からはみ出したM子だけに、暗い感じの子で学級にとけこめず、「わたしをみんなが仲間はずれにする」と、日記を通して訴えてきた。M子自身は基本的生活習慣が身についていない、忘れ物が多い、動作が緩慢、受動的で自己本位等「いじめられつ子」の要素を多分にもっていた。

担任は、学力の低いM子に、仲間をつけて友だちとの接触の場を設けたり、グルーブ学習形態の中で交流を深めさせたりしてたゆまず目をかけてきた。その結果、笑顔を見せることのなかったM子も、数か月後、仲間と笑い合いながら遊び、学習の発表もするようになり、仲間はずれの現象はみられなくなった。

昨年実施した「いじめの調査」では、継続的で陰湿ないじめは現れなかったが、児童なりに、「いじめ」の経験を大なり小なり認め、特に多かったいじめの形態は「仲間はずれ」であった。

年間七十人もの転入生のある本校では、M子のように心理的な不安材料をもっている子どもには特に慎重を期している。

思いやりの心を育てるには、子どものサイドに立って手だてを講ずることが大切である。具体的に述べれば、本校では児童の発想や工夫を大いに取り入れ、児童自らが活動できる場を設定して心の交流を図っている。児童会が作りあげた薫小五つの誓いもその一例である。

1) 良いことは進んで実行する

2) いつもにこにこあいさつする

3) 助け合いをする

4) 苦しくともがんばる

5) 物を大切にする

 

なわとび集会で

なわとび集会で

 

 

 

 


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