教育福島0112号(1986年(S61)07月)-017page
ます。
遊べない、遊び方を知らないということは、人生に必要な体力・運動能力、運動神経の発達に支障が生じるばかりか、家族や友だちとの間の人間関係を円滑に育てたり、人生の生き方としての「やる気」や「生きがい」を見い出すこともできないなど、一生を通して失うものが余りにも大きいといわれています。
遊びの効用
ア、社会性の発達をうながす
子どもが他の人と遊ぶとき、そこには、共同生活のためのルールが生まれ、それに慣れることが、社会性を育てることにつながります。異年齢グループの遊びの中で、楽しさと厳しさを経験し、共同生活を通して、他人との協調、他人に対する感情の表し方、などの人間関係の持ち方を学ぶことができます。
イ、運動神経の発達をうながす。
小さい時に、遊びを経験しないと運動神経の鈍い子が育つといわれてます。
遊びによって、身体を動かすことにより脳や神経の機能が発達し、筋肉を充実させることができます。
ウ、情緒の安定をうながす
遊びは、エネルギーを発散させる機能をもっているので、健康の増進や、ストレスの解消により、精神的に安定した情緒豊かな性格をつくることができます。
エ、身体的・技能的発達をうながす
遊びは、無意識のうちに絶えず手足を動かしているので、自然に体力の限界まで挑戦していることもあり、巧緻性を養ったり、瞬発力や持久力などの運動能力を身につけ、体を鍛え、体力をつけることができます。
「手は外部の肋」といわれています。手足を便りことは 脳の働きを高め発育を促します。それには、遊びの中て道具を使って、ものを葬ること大切です。手の器用さとか 工失する心を養う藤があり充実感を蘇ることができます。道具と多く接触し、ものを作る最も基本的な技能・技術を伝承しないと八間の脳の働き、ひいては一人蘭の発達の歴史をストップさせてしまうことにもなります。
家庭や学校 地域社会で、グループの友だちと道具を用いて使いなから物を作り、できあがったものを使帯したいものです。
遊びは以上のような発達を促すことができるといわれています。更に、遊びによって得た人間関係の豊かさが、子どもの思考力も豊かにします。
3) 仲間との協同作業
子どもは、「社会のルールに違反すれば叱られる」このような経験を積み重ねて、人に関する因果関係を確実に身につけていきます。
子どもの知的発達は、日常の社会生活の中で進行します。社会的に孤立した子どもは、物事を正しく判断する力を獲得できないといわれています。思考の道具は、言語であるといわれています。子どもの思考力を発達させるには、対人的場面の中で、他人とコミュニケーションをかわしながら、いっしょに考えるという経験がなによりも必要であります。
子ども同士の協力に基づく作業は、知的発達に欠かすことができません。他人の行動に合わせながら、自分の行動をうまく調整していくことができるようになることは、子どもの自己中心的な考えを改めることになり、この調整操作の経験が、ものごとを全体的にとらえる思考力の基本として役立つことになります。
協同作業を通して、子どもたちが、一緒に考え合う経験を豊富に持つことが必要となります。
(三) 団体への加入と活動
1) 団体離れの傾向
表911をみると、小学生の二人に一人は、子ども会やスポーツ少年団などに加入し活動しているが、中高生になると団体に所属せず、団体活動から離れる傾向にあります。
このように、学年が進行するにつれて一段と低下するのは、青少年たちを
表9−1学校外青少年団体加入状況
表9−2加入しない理由