教育福島0112号(1986年(S61)07月)-035page
五、研究実践
(一) 姉妹校の締結と交流
〔経過〕
今回の研究においては、姉妹校との交流を最大の眼目としてとらえ、姉妹校締結のために、特に努力を傾注した。相手校は、本校の十七年間にわたる留学生交換の経験から、オーストラリアの高等学校から選定することにした。
第一段階として、昭和六十年八月、同様の経験を有する愛知県立千種高等学校を訪問して指導をうけた。千種高等学校の場合は締結に至るまでに五年の歳月を要したとのことである。続いて同年八月、駐日オーストラリア大使館を訪問し、文化担当一等書記官アリソン・ブロイノフスキー女史に協力を要請し、快諾を得た。相手校の規模・教育環境・交流内容等について協議し、その結果にもとづいて女史が本国の教育局に働きかけることを約束してくれた。
同年十月、再び大使館に女史を訪ねて協議を重ね、姉妹候補校に贈るべく制作した本校紹介のためのアルバムおよび学校要覧の要約(英文)を手渡した。しかし大使館の協力をもってしても、事態は遅々として進展をみなかった。そこで、教職員や生徒の交流委員会等で検討を加え、職員会議にもはかって、本校と留学生交換の経験のあるニューカッスル市のホワイトブリッジハイスクールを候補校に選び、改めて大使館に協力を要請した。これと併行して、本校から校長書簡の形で正式に姉妹校締結を申し入れた。1これに対し、翌年一月、同校日本語担当教員マーガレット・ジョーンズ女史が来日、本校を訪問した際、当時の校長アレン・ハント氏の受諾の意向の報告を受け、さらに二月に入って新校長デビド・レントン氏から姉妹校に同意する旨の公文書が送付された。
〔交流〕
交流内容については、数次にわたる交流委員会で検討を加えた。相手校の意向もあって、当面人的交流は見送ることにし、文通と作品交換に絞った。この展開にあたっては、英語科・芸術科・家庭科が指導にあたり、生徒会、家庭クラブ等の組織の活用をはかって、これらの実践活動を通して、次代に生きる若者たちの国際理解を、より深めることを主眼とした。交流第一回目は、昭和六十一年三月、芸術科の指導による作品を送付した。二回目は同年六月、英語科指導による英文手紙、第三回目は同年七月、家庭科の指導による作品を送付する予定である。
第一回送付作品 第三回送付作品
絵文字 十点 お手玉 十点
切絵 十点 押絵 三点
イラスト 十点 ちぎり絵 二点 ざぶとん 二点 刺子の布巾三点
表2 研究計画