教育福島0112号(1986年(S61)07月)-041page

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新しい時代へ

魅力ある水産教育をめざす

−全国水産教育研究会東北地区大会が小名浜水産高等学校で開催−

 

昭和六十一年度全国水産教育研究会東北地区大会は、六月十二日、十三日の両日同研究会東北部会、県教委の共催で、いわき市の県立小名浜水産高等学校で開催された。

この大会は、東北六県九校の水産高等学校の教職員の代表が年一回一同に会して、各学校が日頃抱えている問題点や改善策をもとに魅力ある水産教育をめざして研究協議を行っているもので、今年度は、「新しい時代に対応した水産教育はどのようにあればよいか」のテーマをかかげ、各県代表の先生方は、これからの水産教育の指針となるべき、多くの研究成果を発表しました。

 

◎開会式

 

第一日は午前九時三十分より開会式が行われ、主催者として佐藤正県教育庁高等学校教育課主幹があいさつ、「海洋新秩序時代、技術革新の時代を迎えて、変化の激しい社会に柔軟に対応できる幅広い応用力のある産業人の育成が強く要請されている。生徒の多様化に対応した教育課程の編成や指導方法の研究をさらに推進してほしい」と述べました。

次いで当番校長として富永三郎小名浜水産高校長は「水産業界を取り巻く国際・国内情勢は誠に厳しいものがある。例えば、二百カイリの問題も北と西では国の対応も違っている。教師が将来の展望を明るいものとしなければ生徒はついてこない。今こそ明日の水産教育への創意工夫が求められている」と述べました。

 

◎研究協議・発表

 

研究協議は午前十時から行われ、各校の代表者による研究実践を発表し合い熱心な討論が行われた。

以下、各分科会のテーマと発表者は次のとおりです。

 

第一分科会

●テーマ

「新しい時代に対応した魅力ある学習指導の展開について」

●発表者

八戸水産高校教諭 細越三博

久慈水産高校教諭 鈴木辰興

広田水産高校教諭 及川勝

加茂水産高校教諭 島屋孝

船川水産高校教諭 久保市勲

 

第二分科会

●テーマ

「新しい時代に対応した各学科の活性化を目指した教育活動について」

●発表者

宮城水産高校教諭 樋口健一

気仙沼水産高校教諭 鈴木克徳

宮古水産高校教諭 五日市努

小名浜水産高校教諭 平野武

 

◎全体会・講評

 

第二日は午前八時三十分より全体会が行われ、前日の分科会での討議の内容の要点の報告があり、最後のまとめとして、県教育庁高等学校教育課門馬修一郎指導主事が「後継者の問題、学力の質的問題、進路の多様化の問題といろいろと現状を分析しているが、この分析に基いて各校の水産教育はどうあるべきかという点で問題をとらえなおし、指導体制を確立してほしい。苦しみは水産教育のみではなく、他の産業教育にもある。苦しみの中から新時代を求めることが必要です」と結び盛会裡に大会が終了しました。

 

会場校長としてあいさつする富永三郎小名水校長

会場校長としてあいさつする富永三郎小名水校長

 

熱心な討議がなされた分科会

熱心な討議がなされた分科会

 

 

 

 

 


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