教育福島0113号(1986年(S61)08月)-007page
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しまった。世の中は常に変化するものである。法律さえも変わる。しかし、人間が守るべき最低の規準、つまり「しつけ」は、変わるべきではない。是非是非、教育の場のどこかで、今以上に良いしつけを教えていただきたいものである。
人様に迷惑をかけない、相手の立場を考える等思いやりこそすべてのしつけの基礎であり、弱い者に愛情を、というやさしい気持ちを持つ子どもがふえることがのぞましい。知育偏重は、すべて経済優先、競争意識が先に立つ現代の産物といえばそれまでであるが、その弊害がどういう形で今あらわれているかは周知の事実である。
今こそ、親も教育者も、社会全体が人間の本当の価値がどこにあるのかを真剣に考える時期ではなかろうか。
体力においてもしかりで、競争意識が先にたち、小・中学生の時代ですでに勝者最優先の考え方は百害あって一利なしである。小・中学生に見られる野球肘のむごさは、我々、医療の現場にいる者にとっては、子どもの将来を全然考えない指導者に憤りさえ感じるところである。
発達過程にある子どもにとっては、指導者の方に子どもをいろいろな意味で大きく育てるという意識がないと、大変な失敗をすることを警告したい。
教育というものが、短期間の勝負でないことを認識し、教育者に対する評価を、単に目前の結果にとらわれることのないよう自戒している昨今である。
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町の成人大学講座で「健康」を語る筆者
提言
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