教育福島0113号(1986年(S61)08月)-012page

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ープ学習などの多様な学習活動を適切に取り入れることが大切である。

 

3、教育課程の評価と改善

 

学校の創意工夫を生かした教育課程の編成・実施が期待されているので、各学校では、教育課程の充実のために、従来より以上に教育課程の評価と改善に努めなければならない。

 

(1) 教育課程の評価と改善の具体的な考え方

教育課程は、学校教育の全領域に及ぶ教育計画を統括するものである。し、たがって、評価の対象領域が広いため、漠然とした評価になりやすいので、ねらい、時期、方法を明確にして取り組まなければならない。また、評価の方法は、学校の実態に応じて工夫し、適切な評価ができるようにすることが大切である。

評価を進めるに当たっては、次の点に留意することが必要である。

○ 全教師が協力して、組織的に進めること。

○ 計画を立て、積極的に進めること。

○ 客観的な資料を収集して進めること。

○ 評価のしゃすいより具体的な到達目標を設定して進めること。

(2) 改善への手だて

学校における教育の成果を高めるために、教育課程を評価の結果に基づいて適正なものに改善しなければならない。

そのための手だてとして、次の点に留意する必要がある。

○ 教育課程の改善計画を学校経営の中に位置づけること。

○ 教育課程改善のための組織を工夫し、よく機能させること。

○ 教育課程の評価の結果に基づいて改善の方針を立てること。

○ 教育課程の改善事項を検討し、改善の具体策を作成すること。

○ 年間を通して実施しながら教育課程の改善を志向すること。

 

3) 学習指導の質的改善

 

教師はだれでも、よい授業をしたい、これだけは身につけさせたい、児童生徒に自主的、主体的に学習させたいと顧っている。

児童生徒もまた、わかるようになりたい、できるようになりたいと顧っている。しかし、それにもかかわらず、「授業がわからない」とか「授業がおもしろくない」といった声が聞かれる。

魅力のある成就感のある授業を創造することは、教師のつとめである。教師は、自らの授業を直視し、問題点を掘り起こし、授業の質的な改善を積み重ねることによって、その実現を図る努力を惜しんではならない。

 

1、主体性を高める授業

 

今までわからなかったことがわかったうれしさや喜び、以前と比べてこんなに力がついてきたという実感などを味わわせることは魅力ある授業の創造のうえで特に大切なことである。

今、教師に求められていることは、児童生徒のわかりたい、できるようになりたいという願いや欲求を刺激し、これを発揮させる手だてや場の設定を追求することであり、それらを通して主体性を高める授業の創造に努めることである。

(1) 学習意欲の喚起

主体的な学習の成立にとって大切なことの第一は、児童生徒の学習への意欲である。

児童生徒の学習意欲を喚起し、持続させる方法にはいろいろあろうが、授業の展開においては、特に次の点が重要である。

1)学習への動機づけの工夫

学習の主体者は児童生徒にほかならないことを踏まえ、その知的好奇心に働きかけることにより、児童生徒がやる気になり、強い欲求で目標を持ち、運転手が自分で車のエンジンをかけ、走り出したくてたまらなくなるような状態にすることである。児童生徒をやる気にさせることは、教師の大事なつとめである。やる気こそは主体的な学習の源である。やる気を起こさせるためには次のことが重要である。

ア 児童生徒の心を強くゆさぶる事物、事象、現象、話題等を与え、「おや、あれ、へんだな、どうしてだろう」など強い驚き、矛盾、疑問や葛藤などを児童生徒の心にひき起こすこと。

イ 書く、話し合う、実演する等の方法により、問題を明確にし、「手に入れたい」「調べてみたい」「やつてみたい」などの意識を高めること。

また、以上のことは、教師に次の二点を要求している。

○ 児童生待の興味、関心を十分把握すること。

 

学習する子どもの側に立った教育

学習する子どもの側に立った教育

 

 

 


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