教育福島0113号(1986年(S61)08月)-014page

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○「わかるようになりたい」。「てきるようになりたい」。なとという児童生徒一人一人の心をとのように受け止め、とのよりに生かす工夫をしているか。

○児童生徒の発言や発想を生かすために全身を耳にして聴く努力をしているか。

 

3)児童生徒が自己の意思を決定できる場を取り入れるよう配慮しているか。

 

○児童生徒一人一人がそれぞれ自分なりの考えや意見なとを自由に発表てきる環境になっているか。

○地人の考えや意見を尊重し、お互いに啓発し合う望ましい学級集団を育てる指導に夢ぬかりはないか。

 

4)児童生徒に働きかける環境となっているか。

 

○児童生徒の興味や関心、欲求等を生かした物的環境か教師と児童生徒の創意工夫によってつくり出されているか。

 

2、「わかる」「できる」授業

 

「わかる」「できる」授業を創造するため、次のことから学習指導の改善を図っていくことが考えられる。

(1) 個に応じた学習

「学習は個に成立する」と言われており、一斉指導の中においても個が埋没しないよう十分配慮する必要がある。

個の差は、まだわかっていないことも多いが、「学習のスピード(わかり方の違い)」や「学習のスタイル(自分に合った学習の仕方)」などがあり、これについて十分配慮した学習指導が展開されることは大きな意味があると言われている。

このような学習指導を展開するうえで留意しなければならない基本的なことは、おおよそ次の点である。

○ 児童生徒の興味・関心を踏まえた

課題の設定

○ 児童生徒の生活経験の違い

○ 教師と児童生徒との相生の問題

○ 児童生徒の思考や判断には好みがあることへの着目

(2) 学習内容の定着

現在の児童生徒には、着実に基礎・基本となるものを身につけさせることはもちろん、さらには、それを用いて新たな課題に立ち向うことが要求されている。まず、基礎的・基本的内容を確実に定着させるためには次のような手順を踏むことが大切である。

1)脳裏に強烈に焼きつけるような、または、心をゆさぶるような教材の提示や指導法を工夫する。

2)知識の体系をしっかりとおさえ、構造化した内容として順序よく指導し、理解の徹底を図る。

3)児童生徒一人一人の到達の段階やつまずきの段階、様子をとらえる。

4)つまずきの原因を探り、治療指導の徹底を図る。

5)反復の機会を授業の終末などに設定し、学習内容の定着に努める。また、補充指導などを効果的に行う。児童生徒の発達段階や、生活経験を十分に踏まえ、体験学習など、実物を通した学習をより多く取り入れて、学習の定着を図るように努めていくことが大切である。

 

3、評価を生かす指導

 

評価を授業改善に生かす研究は年々盛んになってきているが、児童生徒一人一人に生かす評価の在り方については、さらに研究を深める必要がある。日々の評価においては、次の事項の点検が重要である。

1)自己評価は、主体的に学習をするためのものになっているか。

2)相互評価は、共に認め合い、高め合うためのものになっているか。

3)形成的評価は、達成やつまずきの状況を的確にとらえ、児童生徒一人一人を伸ばすものになっているか。

4)総括的評価は、多様な方法で行われ、児童生徒一人一人の理解や伸長に役立つものになっているか。

5)観点別達成度評価は、適切な達成目標のもとで、児童生徒一人一人の理解や伸長を図るものになっているか。

 

4) 道徳教育の充実

 

1、道徳教育実践上の課題

 

ア 学校における道徳教育が自校の教育目標の具現をめざし、教育活動全体を通じて行われるために、各学校では、全教師が学校や地域の実態、児童生徒の発達段階や特性を的確にとらえて道徳教育上の問題点を明らかにし、その改善、充実に努める。

イ 各学校における道徳教育全体計画を学校教育目標具現の観点から全教師で見直し再検討して、学校経営の中に正しく位置づけるように努める。

ウ 各学校において、道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を深めるとともに、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活の基本的行動様式をはじめとする道徳的実践の指導の充実に努める。

エ 道徳の時間の年間指導計画が学校の全教師の共通理解と協力のもとに作成され、全体計画に基づいて道徳の時間の指導方針や道徳教育の重点各学年の指導の重点等がそれぞれ明確になるように努める。

 

 

 


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