教育福島0113号(1986年(S61)08月)-017page
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3、自主的活動を促す学校行事
学校行事の目標は、学校生活に秩序と変化を与える集団活動によって、児童生徒の心身の健全な発達を図り、併せて学校生活の充実と発展に資することである。その指導に当たっては、次のような配慮が必要である。
ア 児童生徒の健康や安全を考慮し、負担過重にならないようにすること。
イ 事前、事後の指導を適切に行い、ねらいや意義を理解させるとともに、活動への意欲を育成すること。
ウ 児童生徒の参加意欲を高めるために、児童生徒に任せる範囲を明確にし、計画の段階から児童生徒を参加させ、児童生徒の意向もできるだけ尊重すること。
エ 学校行事は、児童生徒と触れ合う場面が多いので、意図的に望ましい人間関係の育成に努めること。
4、学業生活を充実させる学級指導
学業生活を充実させるためには、児童生徒の学習意欲を高め、学習習慣を身につけさせるための援助指導を進めることが大切である。
そのためには、一人一人の能力・適性を的確に把握し、意欲をもって学習に取り組めるよう、学業生活の改善と充実に努める必要がある。
児童生徒の学業に関する問題は、さまざまな要因が複雑にからみ合い学校生活に現れることが多い。
したがって、適切な学業指導を進めるには、一人一人の児童生徒の個人差に応じて援助指導を進めることが極めて大切になってくる。
学業生活の指導に関する課題には、次のようなことが考えられる。
ア 新しい学級や学校生活への適応
イ 指導場面における学習意欲の喚起
ウ 望ましい学習態度、習慣の育成
エ 学習に対する興味・関心の高揚
オ 学習の仕方の改善
カ 学習のつまずきへの診断と治療
キ 家庭学習の習慣の形成
ク 学習能力、学習成就に関する悩みの解消と進路の適切な選択を行う能力の育成
6) 生徒指導
1、生徒指導充実の基盤
児童生徒の非行等の増加に伴い、学校においてもその対策が強く要請されているが、本来の生徒指導は非行対策といった、いわば消極的な面にだけあるのではない。積極的にすべての生徒のそれぞれの人格の良き発達とへ学校生活が生徒の一人一人にとっても、様々な集団にとっても楽しく充実したものになることをめざすところにある。
したがって、生徒指導本来の意義を追究していけば、そのまま児童生徒の非行防止の効果が上がることに着目する必要がある。生徒指導は特段別な形で行われるものではなく、児童生徒の学校生活を充実させる過程で、生徒指導もおのずと結果として効果的に行われるものであることを認識し、教育活動の充実を図ることが大切である。
(1) 基本的な生活習慣の指導
現代の青少年には基本的な行動様式に欠ける者が多いと指摘されているが、家庭の問題のみならず、学校においても規律を守らせ、基本的な生活習慣を形成するための積極的な努力が望まれる。基本的な生活習慣が確立されていなくては、学校生活を送る上でも支障を来たし、問題行動の発生に結びつく危険生も十分もっている。
したがって、基本的な生活習慣の指導は、学校を秩序ある学ぶ場≠ニしてふさわしいものにするとともに、人間の生き方≠ノついて自覚を深める上からあらゆる教育活動を通じて指導されなければならない。
(2) 生徒指導の機能を取り入れた教科指導の展開
日ごろの教科指導に当たって、教師の構えの中にどのような生徒指導の機能を取り入れたらよいだろうか。いろいろ考えられるが、大事なことは児童生徒に存在感を与えること≠ニ、児童生徒を受容すること≠フ二つであろう。
存在感≠ニいうことでは、例えば、学力の遅れがちな児童生徒に対しても能力に応じた発問や課題によって解決した自信を与え、学習に積極的に参加させていくようにすることである。
また、受容≠ニいうことでは、例えば誤答や不十分な内容の発言を否定しないで温かく取り扱い、みんなで正しい結論を錬り上げるようにすることである。
(3)道徳教育、特別活動の重視
問題行動を起こす児童生徒は、一般的に善悪の判断が不十分で、社会規範や学校のきまりを遵守する意識が低い。また、基本的な生活習慣も身に付けていないことが多い。
したがって、道徳教育の一層の充実を図り、生命に対する慈しみの心、他
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ふれ合いの中から豊かな人間性をはぐくむ
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