教育福島0113号(1986年(S61)08月)-018page
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人を思いやる心、善悪をわきまえ正しく行動できる強い意志等、人間として普遍的に求められている資質を養うことが大切である。
また、特別活動を重視することにより、教師と児童生徒、児童生徒相互の人間的な触れ合いを深め、能力や適性を十分に発揮させ、所属感、充足感を味わわせることが大切である。
2、発達課題をふまえた生徒理解とその指導
児童生徒の望ましい人格形成にとって、乳・幼児期、少年期、青年期の各時期にそれぞれ達成しなければならない課題がある。したがって、学校や家庭では、各時期における発達課題が何であるかを理解し、適時に、適切な教育的配慮を加えることが必要である。
このことは、問題傾向をもつ児童生徒の多くが基本的生活習慣や社会性など、各段階の発達課題を経験しなかったために問題を起こしていることからも明らかである。
社会教育審議会の答申「青少年の徳性と社会教育」(昭和五十六年)では、人間性豊かな人格を形成するための各時期の発達課題として、特に重要なもの及びこれに対する教育上の配慮事項を下記の表のとおり指摘している。学校においてもこれを参考に、発達的観点に立った生徒理解とその指導の在り方の研究が重要になってきている。
7) 学年・学級経営の充実
1、学年・学級経営とその課題
学年・学級経営とは「それぞれの機能を有効に働かせて、学校の教育目標を実現するために全教職員が共通理解のうえに立って仕事を分担し、協力し合って計画的・組織的に教育活動を進めていく営み」である。
最近、青少年の非行の増加、いじめ現象、反・非社会的行動、さらには学習不適応など、生徒指導、学習指導上のさまざまな問題点が指摘されている。
これらの問題を解決し、学校経営の一層の充実を図るためには、その一環である学年・学級経営を広い視野に立って計画的、しかも綿密に推進し、その効果をあげる必要がある。
本来、学級経営は、学級という集団生活を通して児童生徒一人一人の自己実現をめざすのであるが、その目的が十分に達成されないところに学級経営の今日的課題があると考えられる。
現在の学年・学級経営を見直し、その本来の在り方に返って考え、実践する必要があるように思われる。
2、学級担任の役割
学級担任は、学級経営全般にわたっ
表 人格形成上の各時期別発達課題と配慮事項(要約)
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