教育福島0113号(1986年(S61)08月)-032page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
それだけでも児童生徒への無言の教育となる」と言われる。
教育活動は、教師と児童生徒との強いきずなを前提に展開されるものであるから、教師の力量は、児童生徒の成長に深くかかわってくる。
したがって、教師の自己研修は、全ての教師の生命であるとともに、全ての教育活動の基盤であるといえる。
個人研修を更に充実したものとするために、次の点に心掛ける必要がある。
ア、研修は児童生徒を育て、自己の力量を高めるものとする。
イ、長期の見通しをもって計画的に進める。
ウ、校内研修等の成果を活用する。
エ、記録を累積し、研修の深化を図る。
オ、先輩や同僚の助言、指導を積極的に受ける。
3、研修時間の確保
研修に必要な時間を生み出すには、各教師の自発性に基づく創意工夫と、協力し合う態勢づくりが大切である。
しかし、より多くの時間を確保し、更に、研修の充実を図るための方策については、学校運営全体の立場から考えていかなければならない。
そこで、次の観点から工夫して、研修時間の確保に努め、・効率的運営を図っていきたい。
ア、教育課程編成上から研修時間を生み出す配慮をする。
○研修に当てられる時数を的確におさえ、それに見合う研修計画を立てる。
○月行事、週行事の中に定例的に研修日を設けるなどの工夫をする。
イ、時間割編成上から研修時間を生み出す配慮をする。
○例えば、中学校の場合、学年主任会、研究推進委員会、教科部会等を共通の空き時間に当て週一回定例会を開き、共同研修を行う。
ウ、長期休業中において研修時間を生み出す配慮をする。
○長期休業期間は、次の点から研修を進める上で都合がよいので、十分に活用する。
●研修の時間が十分に確保できる。
●継続的・集中的に研修を進めることができる。
●研修内容について、情報が得やすい。
エ、共同研修の時間の運営に当たっては、効率化を図る工夫をする。
○研修内容を事前に関係職員に周知させておく。
○教師一人一人の問題点をできるだけ集約し、研修の方向づけを明確にする。
○記録の累積化を図り、研究内容を積み上げる。
12) 幼稚園教育の充実
1、幼稚園教育の特質
人間の一生において、幼児期は人格形成のうえで極めて大切な時期である。この時期は心身の発達が盛んで、身体的発育の基礎ができ上がり、情緒的発達や知的発達も著しく、行動範囲の拡大に伴い、社会性・道徳性も急速に発達する時期である。従って、この時期に成長発達に応じて適切な教育を行うかどうかは、その子どもの生き方を左右し、生きがいのある豊かな一生を送るかどうかの岐路になると言われている。
そこで教師は、幼児期の発達の特性を充分ふまえ、幼稚園教育の基本的な役割をおさえて保育にあたる必要がある。また、幼児の発達の特性を適確に把握し、豊かな保育をつくり出していくために幼稚園教育の特質を次のようにとらえてみた。
(1) 依存から自立への順調な移行
1)教師をはじめ、家族以外の人の愛情に接し、人間愛や信頼感をもつ。
万物の霊長といわれる人間も、出発点である新生児期は、他の動物に比べると、すべての点ではるかに劣っており、親またはそれに代わる人の手によって大切に保育されなければ、一日として命を保つことができない存在である。つまり、自立までに大変時間がかかる。そのゆっくりと大きなリズムの中に大きな意味があり、幼児はその過程で、愛されることは気持ちのよいものであるという信頼感を育てていくことになる。人生のスタートの時期にこの自分以外の人に十分な信頼の気持ちを育てることが極めて重要である。
2)自分で考え、自分で行動し、自分で責任をもつという自立の習慣を養い、生涯にわたる主体的自我の形成の基礎を培う。それがどんなに時間がかかり、未熟であっても、自分で行動することに大きな意味がある。
(2) 社会性の発達の助長
1)自己発揮を充分にし、葛藤場面で自己をコントロールすることを知る。
少子核家族の中では、子どもは王様である。欲望は周囲の譲歩や好意によってかなえられ、子どもはそれを当然と受けとめている。それが仲間と争うことによって、誰もがそれぞれに願いや要求をもって生きていることに気づき、みんなの中で自分を生かしていく知恵を身につけていく。
2)人と共感したり、協力したりすることによって、大きな喜びや成果が生まれることを経験する。
3)社会生活におけるルールの役割を理解し、相互の受容による自己実現を経験する。
一つのボールをみんなで取り合っていたのでは、結局誰も遊べない。ちょ
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |