教育福島0113号(1986年(S61)08月)-042page
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研究実践
レポート
自然とのふれ合いを大切にした
理科の授業
河東町立河東第二小学校教諭
山ノ内 千代子
−解説−
本論文は、六十年度教職員研究論文入選作です。自然とのふれ合いを大切にした授業づくりを観察ノートにより、自然を豊かによみとっていく児童たちの変容がうきぼりにされたすばらしい研究です。
一、研究の趣旨
自然の中には、児童の興味をひきおこす事物・現象が数多く存在する。
しかし、最近の児童には「自然離れ」が著しく、理科教育の現場において深刻化している。田園地帯であり自然に恵まれている本校においてさえ、例外ではない。
この原因として次のようなことが考えられる。
○ 自然に恵まれすぎて、その中に慣れすぎ、自然の事物・現象に対して特別に意識しない。
○ 低学年時から、自然とのふれあい体験がうすい。また、見る目が観念的で自然に接しても感動がうすい。児童の遊びの実態をみても、草や花など自然を利用した遊びの楽しさを知らない。
○ 教師自身も自然への理解や愛情が十分でなかった。また、理科の授業を反省してみると、内容・理解を系統的に積み上げることを重視するあまり、児童の自発的な活動を軽視しがちであった。
二、研究の仮説
自然とのふれあい遊びを入れた、理科の授業において、次のような手だてを講ずれば、よく気づく児童を育てることができる。
○ 教師の指導と児童の活動を結びつける適切な教材を開発する。
○五感をはたらかせて 身体で気づかせる活動を工夫する。
○ 児童の思考にそった連続する活動を工夫する。
○ 気づいたことを表廃させ、観察を深めさせる。
○ 一人一人のつぶやきや感動をとらえ 大切にする。
三、研究の内容
低学年の理科の学習はともすると楽しみのみに流れ、学習が単なる「遊び」に終ってしまう危険生がある。一人一人が目標に向かって活動するような場の設定が必要である。
「遊びたい」欲求と「知りたい」欲求をうまく調和させたのが「ふれあい遊び」である。
自然の中で直接体験を通して、自然に接する楽しさや喜びを味わわせることに努めた。
第一年次は、指導計画を見なおして、目標・内容をあらい出し、地域素材の教材化のための実態調査と資料収集をした。
第二年次は、第一年次で作成した指導計画にもとづいて、次の四単元の授業を実践して、児童の変容をたしかめた。
四、実践
(一) 「わたしたちとくさばな」(五月)では、四つの活動を段階をおって設定し、児童の感覚を促し、競争する要素を取り入れた活動を講成した。
○活動1 野外で草花を使って自由に遊び、工夫したことを発表しあう。
○活動2 葉や茎を使って音出しの工夫をし、笛を作る。
○活動3 草花のなかまわけの方法を考え、なかまわけをする。
○活動4 なかま集めをする。茎の切り口、花の形、汁の出るもの、匂いのする花や葉と自由な発想でなかま集めをした。
植物を使った遊びは、多様生に富ん
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草花で遊ぶ子どもたち
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