教育福島0113号(1986年(S61)08月)-045page

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識、技能をもって援助する働きです。

 

二、養護・計練に関する研修講座

 

今年度、当養護教育センターで行う養護・訓練に関する研修講座は、次のとおりです。

(一) 養護・訓練研修講座

児童・生徒の障害の多様化に応じた「養護・訓練」の指導原理と方法について専門的知識、技能の習得を図り、専門的な資質の向上に資することをねらいとして、視覚障害、精神薄弱、情緒障害の各講座が、設けられています。

(二) リハビリ研修講座

養護・訓練、特に肢体不自由を併せもつ重複障害児の運動機能の向上に関する理論と実技を中心に、郡山療育園のPT一理学療法土)、OT(作業療法士)等の協力を得て、指導技術の向上を図り、専門的な資質の向上に資することをねらいとして、リハビリ研修講座一前・後期)が設けられています。

各講座の講師には、医師、大学教官、国立特殊教育研究所所員、県教育庁養護教育課、郡山療育園及び当センターの職員等がこれに当たり、講演、講義、演習、研究協議、見学等の方法により専門的な研修を行うことになっています。

 

三、養護・訓練に関する施設・設備

 

当養護教育センターには、養護・訓練の指導内容に応じた、数々の施設と設備が整えられ、教育相談時や研修講座等で活用されています。教育相談エリアには、養護訓練室、検査室、観察室、相談室など十五室が設備されているので、養護・訓練の内容に合わせながら主なものを紹介します。

(一) 心身の適応に関するもの

第二養護訓練室及び総合観察室には、広い面積を利用して、トランポリンやエアーマット、四輪車等の大型の遊具や各種の楽器類が備えられています。これらの施設、設備を利用しながら、感覚的な遊びや体を動かす遊びを通して、対人意識を広めたり、人間関係を深めたりすることができます。また、相談室においては、カウンセリングを通して心の解放を図ることもできます。

(二) 感賞機能の向上に関するもの

視知覚訓練室、言語訓練室、聴能訓練室及び第二養護訓練室等が利用できます。これらの部屋では、各種の訓練器具を使用して、視覚、触覚、聴覚等の感覚訓練が実施できるようになっています。また、感覚補償機器としての補聴器の特性を調べる補聴器特性試験装置等も備えています。

(三) 運動機能の向上に関するもの

各種の運動訓練器具の設備が整っている第一養護訓練室が主に利用できるほか一運動遊具類の設備のある総合観察室、更には、作業用器具類の整っている職業能力検査室等が、その訓練目的に応じて利用できます。肢体の基本動作の習得及び改善に関しては、主に第一養護訓練室で、生活の基本動作は各室を利用して、作業の基本動作の習得及び改善に関しては、職業能力検査室が主に利用できるようになっています。

(四) 意思の伝達に関するもの

意思の伝達には、各種の検査器具や訓練装置の設備がある言語訓練室や聴能訓練室が主に利用できます。また、カルタ遊びや絵カード等を使用しての集団での訓練には第二養護訓練室が利用しやすくなっています。更に、目的によっては、他の施設を利用して、楽しい遊びやゲームを取り入れながら、明るい雰囲気の中で、言語の受容技能、形成能力、表出技能の習得及び改善を図ることも大切です。

 

おわりに

 

以上のように、当養護教育センターには、教育相談や研修講座のための施設、設備が数多く整っております。

これらの施設、設備は、養護・訓練に関しても十分活用できるようになっていますが、当養護教育センターは、継続的に養護・訓練を実施するための専門機関ではなく、教育相談や研修の一環として活用するように整備されておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 

養護・訓練研修講座(情緒障害)講演

養護・訓練研修講座(情緒障害)講演

 

心身の適応心の交流を求めて

心身の適応心の交流を求めて

 

 

 


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