教育福島0113号(1986年(S61)08月)-046page

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楽しい学校

 

レポート・学校から

 

レポート・学校から

 

教えたい

他者へのいたわり

生命への慈しみ

 

−思いやりのある

子どもの育成を顧って一

 

今、学校は子どもたちにとって、本当に楽しい生活の場でしょうか。そして今、学校は先生方にとって本当に仕事のしがいのある場所でしようか。

また、子どもを持つ親にとって、学校は安心して子どもを預けられる場所となっているでしょうか。

私たち教師の一人一人は、今、これらの基本的な問いかけに肯定できる努力、工夫を、これまで以上に続けなければならないといえます。

学校は、子どもたちが、あるいは子どもと親が、そして教師どうしが、生命の尊さと、その生命をよりょく燃焼させるための「生き方」を学び合う場所でなければなりません。そして、よりょく燃焼させるためには、学校がみんなにとって「楽しい」ものであることが必要です。それには、みんなの協力、ルールの順守、はげましあい、いたわりあい、そして時には忍耐し、奉仕するという努力が必要です。

今月の「楽しい学校」では、この視点で、様々な努力を続けている学校の事例を紹介しました。

 

▲ねえ、どうしたの……

▲ねえ、どうしたの……

 

手と手をつなぎあう生徒指導

−−特に「いじめ」根絶の指導を中心とした事例−−

 

学校では実に様々な生徒指導対策が行われています。教師は、毎日毎日児童生徒へ語りかけ、観察し、職員会議等をひらき、追跡指導を続けています。

では、どんな事例があるか挙げてみましょう。

 

★子どもに「私を育てる記録」を毎日書かせ、児童自ら考え決断し、実行に移していく力を育てる(大熊・大野小)。毎日の学習確認ノートの「一日感想欄」を重視し、子どもの心を読みとる(会津若松の中学校ほか)等、子どもの心を記録誌等から読みとる努力を続けている例

★「おしゃべり会」で何でも自由に話し合う環境づくり(二本松・原瀬小)放課後、「自由時間」を設定し、教師と子どものふれあいを深める(高郷・高郷三小)、問題傾向をもつ子どもと個別に接触を図り、山や川で一緒に遊ぶ(双葉・双葉南小)等、子どもとのふれあいを意図的に行い、子どもの心の変化を見つめる努力をしている例。

★特別活動や創意の時間の活用や養護学校との交流(富岡・富岡二中ほか)動植物の飼育・栽培(塙・笹原小ほか)JRC活動(西郷・川谷中)、体力つくり(表郷・表郷中)等、学校教育の様々な分野で心の教育を多面的に展開している例

★「生徒指導だより」を毎週発行し、職員打合せに配布、共通理解を得る(いわき・平一小)、全職員の電話番号を家庭に知らせ、いつでも相談に応じる姿勢を明確にする一塩川・塩川中ほか)、授業の空時間を明示して、全職員が交互に校内巡視を行う(福島・福島二中ほか)、実態に応じた問題行動、発見上の三十八の観察項目をつくって指導する(塙・塙中)、「いじめ防止年間指導計画」を作り、共通理解に立って具体的に指導する(鮫川・西山小)等、教師同士や地域との連携を積極的にはかっている例等々。

 

以上のように、各学校ではその実態に応じて、子ども同士、子どもと教師、教師と親が手をつなぎあってさまざまな努力をしています。

それでは、次に楽しい学校づくりへの具体的な例を紹介します。

 

りっぱに実ったかぶ

いわき市立内郷第二中学校

 

本校は、六十一年四月に鉄筋三階建てに改築された。その新しい環境の中で、創意を生かした教育活動の時間を

 

 

 


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