教育福島0114号(1986年(S61)09月)-031page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(1) 年間指導計画の検討、改善、活用

1) 三年間を見通して、生徒の発達段階に応じた発展的、系統的な指導が行われるよう題材を検討し、改善した。

ア、年間指導時数の配当一既述一

イ、三年間を見通した題材配当

2) 学級指導を効果的に進めるために、指導計画をもとにして、毎時の指導の展開案を作成し、その活用を図った。

(2) 指導案の作成と授業研究の実施

1)指導過程と展開の構想

学級指導は、生徒一人一人が自己の在り方を決定するための共同思考であって、自発的・自主的な活動の実践を通して、望ましい個性の伸長を図るものである。指導過程については、学級において共通する問題や悩みが取り上げられ、それらを一人一人がどのようにして自分なりに解決していったらよいかという方向で話し合いを進め自己を見つめ、自己を問題にかかわらせて話し合ったり、思考することができるよう工夫した。

2)指導案の形式を定めて授業研究を行った。 (形式省略)

3)授業研究

ア、授業研究を行うにあたり、視点を設定して研究を深めた。

○ 事前の準備、指導(実態把握資料作成、役割分担等)について

○ 指導者の指示、発問、問題提起、まとめ方等について

○ 生徒の活動について

○ 資料の提示について

○ 集団及び個人思考の深まりについて、など

 

進路相談部

 

1 研究のねらい

 

進路指導は、究極的には、個々の生徒に対する個別指導を進めることであり、その中核として、進路相談が位置付けられている。中学校における進路相談のねらいは、最終的な進路選択への援助をねらいとするのではなく、そこへ至る探索期の指導である。それは、進路指導のねらいが、「進路への関心を高める」、「進路計画を立てる」、「進路選択の能力を伸長する」ということからも、将来の生活における自己実現のための自己指導力や進路選択の能力の発達を促すためのものといえる。このような観点から、進路相談を効果的に行うため、次の諸点について研究した。

(1) 進路相談の内容

(2) 進路相談計画

(3) 進路相談の進め方

(4) 進路指導を効果的に進めるための

 

学級経営

 

2 研究の内容

 

(1) 進路相談の内容

1) 三年生の就職希望者に対する職業・職場の選択、決定、就職するための準備、あるいは、就職後の適応等に関する相談

2) 進学希望者に対する学科の選択・決定と進学のための準備、あるいは進学後の適応等に関する相談

3) 一、二年生を対象とする、自己実現、進路情報の理解、進路希望の設計等について悩みをもつ生徒との相談

4) 進路希望調査や進路計画表等を提出した後に、その確認をしたり励ましの指導をするため、学年・学級の生徒全員に共通した内容を取り上げる相談

5) 生徒の発達段階に応じた相談内容

進路相談は希望進路決定期における個人的悩みや問題の随時的解決のためでなく、個々の生徒の進路に対する意識や態度等の発達を促す指導・援助のためにも不可欠であるから、各学年で行う学級指導における進路指導との関連を密にしなければならない。

(2) 進路相談計画(省略)

(3) 進路相談の進め方

1) 教師の相談方法と留意点

2) 進路決定時の相談

3) 進路相談の時間設定

(4) 進路指導を効果的に進めるための学級経営

1) 進路指導は、すべての教育活動を通して、すべての教師によって行われなければならないが、それは、学級指導における進路指導において補充・深化・統合されるものである。従って、学級担任教師による進路指導をより効果的に進めるためには、授業の充実を図ることはもちろんであるが、更に広く、担任教師と生徒との信頼関係に基づく学級経営全体の中で進路指導を進めることが大切である。

ア、調査・検査からのみならず、担任教師の観察、ふれ合いの中から得た生徒理解を通して相談を進める。

イ、活発な係り活動を促し、啓発的経験を得させるとともに、生徒相互の望ましい人間関係を育て、集団の一員としての自覚と連帯感を深めさせながら、自己実現の援助を行う。

2) 学級経営誌の活用を図る

進路指導は中学校三か年の学習と生活を通して、生徒一人一人が将来の生活において自己をよりよく実現できるように、教師が計画的、継続的に援助していく教育活動であるから、担任教師が代ったことによって、援助活動が停滞したり、間違った方向に進むようなことがあってはならない。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。