教育福島0114号(1986年(S61)09月)-033page

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(1) 保護者研修講座の実施

(2) 授業参観・情報を通した進路意識の高揚

(3) 保護者との相談

 

2 研究の内容

 

(1) 保護者研修講座

1) 計画作成上の留意事項

ア、研修テーマは、各学年の発達段階をおさえたものにする。

イ、三年間を一サイクルとして計画し、各学年間の関連をおさえる。

ウ、実施日を年間にわたり予定して保護者の協力が得られるよう計画する。

エ、できるだけ学校や生徒の実態及び親と子の悩みなど、進路に関する具体的な資料に基づいて話し合いを進める。

2) 運営上の留意事項

ア テーマに即した共通課題で意見の交換をする。

イ、進路選択のための各種情報を保護者に提供して、保護者の疑問、要望に答える形で進める。

ウ、親も教師も、指導の立場に固執することなく、生徒たちの進路選択の援助を進めるようにする。

エ、保護者の司会で話し合いを深める。

(2) 情報提供と授業参観

1) PTA教養委員会による会報(年間三回発行)での情報提供

2) 毎学期の授業参観と懇談

(3) 家庭訪問と三者相談

1) 家庭訪問

生徒の進路に関して、保護者の希望や意見を聞くとともに学校の進路指導の目標や計画、学校として保護者に望むことなどについての各種情報を提供しながら、その後の指導が効果的に行えることをねらいとしている。

2) 三者相談

卒業時期における進学・就職等の志望先決定のための相談として行っているが、一回の三者相談では親子の意見が一致しない場合が多い。従って、一年生の時から、保護者と教師、教師と生徒、更に三者相談を行い、生徒の将来の進路に対する保護者や生徒自身の希望・意見を十分把握するとともに必要な情報・資料を提供し、保護者と生徒の考え方の調整を図っている。

 

◎保護者研修講座の感想

○ 子どもの進路に対する親の在り方が、少しずつ分かりかけたような気がします。 (一年保護者)

○ 高校進学を優先的に考えていましたが、研修を経て、ちょっと考えさせられました。(二年保護者)

○ 親の好みや都合で、進路を押しつけるのは良いと思いません。

将来を見極めて、能力に合った進路を選ぶべきことを理解いたしました。 (三年保護者)

 

四、研究の成果

 

(1)教師について

研究討議や授業実践を積み重ねるなかで、共通理解がより深められ、より質の高い進路指導が計画的に展開されるようになった。

(2)生徒について

学級指導における進路学習の充実により、自分の将来に対する関心が高められ、進路学習の必要性を理解し、学習に意欲的に取り組む態度が見られるようになった。

(3) 保護者について

進路指導は三年生になってからやればよいという考えは改められ、発達段階に応じた適切な対応が必要であるとの認識が深められた。

 

五、今後の課題

 

(1) 各部の研究内容の実践には、更に十分な共通理解が必要である。研究内容や各種の資料を整理、検討して、効果的な進路指導を進めなければならない。

(2) 生徒一人一人が進路に関心を持ち、自己理解を深め、必要とされる能力・適性を伸長しなければならない。

そのためには、授業そのものを大きく変えなければならない。

今後、生徒の活動場面の設定を一層工夫し、意欲をもって進路学習に取り組ませる必要がある。

(3) 諸調査・検査の結果を自己理解に活用するだけでなく、進路選択への意欲づけとなるような扱い方の工夫が必要である。

(4) 保護者研修講座を計画的に実施し、生徒が自ら進路を決定する過程において、保護者が十分に指導・援助できるよう啓発していきたい。

 

▲子どもの将来を考える保護者研修講座

 

▲子どもの将来を考える保護者研修講座

▲子どもの将来を考える保護者研修講座

 

 

 


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