教育福島0114号(1986年(S61)09月)-041page

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活用と指導過程の工夫について教材研究をした。続いて、受講者全員が、共通な題材のTP製作を通して基本的な技法を習得した後、受講者ごとに算数教材から題材を選んでTPを製作して、それについて発表し、協議しました。

(講義)わかる授業をつくる算数教育

(岩手大学教授 駒林邦男)

「個人差に応じる指導」のカリキュラム開発と評価という視点からみると、カリキュラム開発では、意図・計画としてのカリキュラムが、学習者の中でどのように機能しているかというフィードバックを取り入れること、また、教育評価では、子どもが、つまずきから抜け出すことができるように情報を集めて、これを提供することの大切さを、教育現場での問題を具体的に取り上げて、専門的な見地からの講義をいただいた。明日からでも実践に生かしたいとの受講者の感想でありました。

(講義・演習)教育相談講座−子どもの理解と対応−(所員)

 

◇中学校数学講座(一次)

(九月十六日〜九月十九日)(研究協議)数学科学習指導上の諸問題(県北教育事務所指導主事 小林正守)

(講議・演習・協議)目標分析と学習指導案の作成(所員)

小学校算数講座(一次)に準じて、各学年ごとに、単元の目標分析と前記の二つの視点から学習指導案を作成して発表し、協議します。

(講義)数学教育の課題(福島大学名誉教授 佐藤俊太郎)

1) 手習の必要性 2) 理解するゆとり 3) 鑑賞するゆとり を中心に、数学教育に与えられた今日的課題についての講義をいただきます。

(講義)数学科における評価(京学芸大学教授 杉山吉茂)

1) 評価の意義 2) 手習内容の評価 3) 指導過程における評価 4) 数学的な考え方の評価にわたる講義で、数学における評価について、多くの示唆が与えられることと期待されます。

(講義・演習)教育相談講座−子どもの理解と対応−(所員)

 

◇中学校数学講座(二次)

(十月六日〜十月九日)

(研究協議)数学科学習指導上の諸問題(義務教育課指導主事 荒井學)(講義・演習・協議)パソコンによるSIP表の作成と活用(所員)

各受講者が準備したテスト結果のデータを用いて、パソコンを利用してSIP表を作成し、これから、生徒一人一人の学習診断、適切な教材の配列、設問の仕方等、指導法の改善に活用するための手がかりを求めます。

(講義)数学的な考え方の評価(横浜国立大学助教授 橋本吉彦)

1) 数学教育思潮の流れ 2) 数学的な考え方 3)関心・態度のとらえ方を踏まえ、数学的な考え方の評価の在り方について講義をいただきます。

(実践報告)一斉指導における学力差に応ずる指導(相馬市立中村第一中学校教諭 三浦光孝)

数学における学力差に応ずる指導の手だてとして、形成的評価テストにより生徒に自己評価をさせ、その結果に基づいた個に応じた課題学習の豊富な実践例の報告が期待されます。

(講義・演習)教育相談講座−子どもの理解と対応−(所員)

◇高等学校数学講座(共通)

(八月二十五日〜八月二十八日)

(研究協議)数学科学習指導上の諸問題(高等学校教育課指導主事 川村紀夫)

(講義・演習・協議)パソコンによるSIP表の作成と問題分析(所員)

中学校数学講座(二次)と同様に、SIP表を作成し、指導法に活用するための手がかりを求める。更に、SIP表に表れた注意係数と問題内容の関係を分析しました。

(講義)数値解析と計算法(福島大学教授 柴昌明)

補問の方法と誤差、数値積分、数値微分など補問の理論について、具体的な数値計算を通して講義をいただく。

 

(講義)オペレーションズ・リサーチ(神奈川大学教授 守谷栄一)

高校数学がオペレーションズ・リサーチにのせられ、社会生活で活用されている具体的な場面をとらえた興味深い内容の講義でありました。

(講義・演習)教育相談講座−子どもの理解と対応−(所員)

 

三、おわりに

 

受講者の反省のなかに、「講座に参加してみて、子どもを十分に理解することこそ大切であり、その手だては教師が工夫していかなければならないことを、あらためて強く感じた」とあった。教師の新鮮さを待ち望んでいる子どもたちがそこに見えるようです。

今後とも、実り多い研修となり、明日からの授業に役立つよう、講座の充実に一層努めていきたいと考えます。

 

学習指導案の作成を検討しあう先生方

学習指導案の作成を検討しあう先生方

 

 

 


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