教育福島0115号(1986年(S61)10月)-018page

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特集2)

 

交流教育の推進員

〜共に生きる〜

 

はじめに

 

養護教育の対象となっている心身障害児と心身に障害のない児童生徒たちが学校教育の一環として活動を共にすることを交流教育といいます。

県教育委員会では、重点施策として「障害をのりこえ社会参加をめざす養護教育の推進」を掲げ、心身障害児教育の充実に努めております。

養護教育においては、心身の障害の種類や程度に応じて、特別な配慮のもとにきめ細かい教育を行うと同時に、小学校、中学校等において心身障害児に対する正しい理解を深める教育を推進することが必要です。

特に、心身障害児に対する偏見や誤解を取りのぞき、日常生活、学校生活あるいは、社会生活の中で等しく共に生きていくという人間性豊かな児童生徒を育成することを学校教育の中で組織的に行うことが必要です。

心身に障害をもつ児童生徒が、その障害に基づく種々の困難を克服して強く生きようとする意欲を高め、心身の調和的発達を促して積極的に社会に参加していくためには、心身の障害の状態等に応じて適切な教育と地域社会の人々の理解と協力が何よりも必要なことです。とりわけ、小学校、中学校、高等学校の児童生徒が心身障害児に対する理解と認識を深めていくことが大切です。

交流教育を推進することによって、心身障害児は、経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てることができ、社会の一員としての資質を育てることができます。

 

一方、心身に障害のない児童生徒にとっては、心身障害児と活動を共にすることによって、障害克服の意欲にふれ、自分の生活のあり方を反省したり思いやりの心、福祉の心、社会的連帯感を高めるなど、豊かな人間性を育成する上で大切な教育活動です。

本県教育委員会では、交流教育を推進するために、昭和五十四年度から、文部省の「心身障害児理解推進校」の指定のほかに、本県単独の「養護教育交流推進事業」を策定し、養護教育諸学校と小学校、中学校の児童生徒との交歓会、合同野外活動を実施し、その趣旨の徹底と交流教育の推進に努めてきました。

「養護教育交流推進事業」については、昭和五十九年度から、今までの実績をふまえ、更に充実、発展させるために、新たな協力校の輪を広げるとともに、地域社会の人々への理解を深め地域社会につながる交流活動が展開されるよう、新たに地域指導者の協力を求め推進に努めているところであります。

 

本年度、交流教育に関する指定校は(表1)のとおりです。文部省指定の「心身障害児理解推進校」については本年度が二年間の研究成果を公開する年でありその成果が期待されます。

今回は、昭和六十年度交流教育推進事業の指定校の実践の成果の概要について紹介します。

 

表1 指定校一覧

表1 指定校一覧

 

 

 


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