教育福島0115号(1986年(S61)10月)-019page
西郷村立熊倉小学校との交流
県立西郷養護学校
一 交流教育の取り組み
本校は、県教育委員会より「昭和六十年度養護教育交流推進事業」の実施校として指定を受け、西郷村立熊倉小学校の三年生との交歓会を中心とする交流を進めてきた。
対象は、第三学年以上第六学年児童である。本校では、児童が交流教育を通じて、児童の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てることを主眼にし、本校の児童の実態から次のねらいを設定し、全校的な組織のもとにその実践に取り組んできた。
(一) より大きな集団への適応力を育て高める。
(二) 大きな集団の中で、日常の学習を生かすことができるようにする。
(三) 交流教育後は、これをもとに、より楽しい充実した学校生活が送れるようにする。
二 交流教育の実践
(一) 交流教育のねらい
1) 小学校との交流活動を通して、集団への適応力を高め、好ましい人間関係の育成を図り、社会の一員として生きていくことができるようにする。
2) 健常児との活動を通じて、健常児に、障害児についての理解を深める。
3) 健全な人生観の形成をはかり、多くの人たちと助け合って人間らしく生きようとすることを知る。
4) 地域社会につながる交流教育を実践し、効果的な啓発活動を推進する。
(二) 交流教育推進の構想(表1)
表1 交流教育推進の構想
(三) 協力校との係わり
1) 交流教育の連絡調整のため交流教育推進の組識のもとに、その実践に取り組んできた。 (表2)
表2 交流推進教育の組織
2) 両校の相互理解のために、情報交換、合同で映画鑑賞会、研究会への参加を呼びかけ、施設見学、講演会の開催を行った。
3) 本校運動会への招待や参加の呼びかけをして、相互理解の促進をはかった。
4) 広報活動として学校新聞の配布協力校PTAへの働きかけ、学校だよりに関係記事の掲載を行った。
5) 諸調査活動の推進
(四) 交流活動の実際(表3)
1) 事前交流
共同の生活体験をとおし健常児には障害児に対する正しい認識を高め、障害児には積極的に社会に参加する態度の育成をめざし、ともに連帯意識の心の交流を深めながら、六月二十六日太陽の国体育館で事前交流を行った。
遊びを中心とした活動をとおして、お互いに体を触れ合ったりすることから親しさが増し、友達を理解するのに大変役立ち交流に結びついた。その後、本校に立ち寄り学校施設等の参観をして養護学校の理解に努めた。
2) 交歓会
実施計画の作成に当たり、本校児童が、協力校の健常児とともに楽しく交歓会ができるような活動内容の選定と実施場所の検討を加え、本校の児童に対する異和感、偏見などを感じさせないよう両校での合同の推進委員会を結成し、数回にわたって交流教育のあり方、計画案の作成等について研修を積み重ね、共通理解をはかった。
九月二十六日大信村総合運動公園で交歓会を実施し、体を通して障害児を理解し、あたたかい気持ちで接することができ、前回の交流体験をもとに、相互に正しい理解にもとづく思いやりのある行動を通し、豊かな人間性溢るる交歓