教育福島0115号(1986年(S61)10月)-031page
二十二ページからのつづき
して、相互理解を深めるとともに、望ましい人間関係の育成を図る。
特に吾妻中学校生徒には、視覚障害者は目は悪いが、自分たちと同じ世代を生きる仲間であることを認識してもらう。
(二) 人数差を克服して、大きな集団の中に溶け込ませ、円滑な行動ができるようにする。
(三) 合同の宿泊及び野外活動を通して自然に親しみながら、友愛、協同、奉仕の精神を養う。
(四) 経験領域を拡大し、学校生活を豊かにする。
三、交流教育の取り組み
交流教育を実施するに当たっては、両校の教職員の協力体制を整え、共通理解を深めて実施することに努めた。
◎第一回連絡会(五月二十一日)吾妻中学校の教頭来校、校内見学後、盲学校関係者と生徒の実態、盲学校教育について説明し、交流教育の基本的事項について協議した。
◎第一回交流推進委員会(五月三十一日)
吾妻中学校へ交流教育委員三名訪問、交流についての基本方針の確認、交流内容、方法等について協議した。
◎事前打合せ会(七月六日)
合同野外活動の会場となる郡山少年自然の家で、両校の職員四名が所員を交え、具体的な活動内容について協議した。特に視覚障害児の生活上の危険箇所や活動上の配慮事項について十分検討を行った。
◎指導資料の作成(九月四日)
視覚障害児との接し方や活動上の配慮事項についての指導資料、活動内容等健常児が必要に応じて助言や援助をするか、また、活動内容のしおりを作成し事前学習に活用することとした。一番苦慮したのは、盲学校の生徒をどのように組み合わせて班編成をするかという点であった。
一班の人数を十二名ずっとし、各班に教員、地域協力者をまじえ十六班編成で実施することとした。
◎事前学習会(九月十一日)
両校において、事前学習会を実施した。
吾妻中学校の生徒に、視覚障害者の生活、学習の様子などを知ってもらうために、盲学校を紹介するビデオを提供するとともに、どのように接したらよいか基本的事項について理解を深めてもらうために次のようなパンフレットを配布して指導してもらった。
吾妻中学校の皆さんへ
〜視覚障害をもつ人との接し方〜
県立盲学校
◇皆さんの大部分は、見えない人と接するのは、今度が初めてかと思います。そのため少なからずとまどいを感じているかもしれませんね。それで見えない人に接する際の注意や心得など述べたいと思います。
◇基本的に、障害をもつといっても特に変った人間ではないのですから、ごく普通に接すればよいわけです。特別な意識をもつことは不要であるばかりか、お互いを理解する上で大きな障害となることもあります。
◇これから述べることは、特別の知識としてでなく、一般的な社会常識、あるいはエチケットとして覚えておいてください。
◇盲学校の生徒は視力が〇・二以下の人が大部分です。大別すると、全盲生と弱視生に分けられ、全盲生はほとんど見えないので点字を使用しますが、弱視生の大部分は普通の文字を使って勉強しています。今回参加する生徒は、全盲生七名、弱視生十名です。
◇全盲生は指先が目です。全盲生に物を渡したり説明したりする時は、できるだけ手をとって物に触れさせてください。
◇あいさつは握手をしたり、へやの出入りには声をかけるなど、全盲生にようすを知らせる気のくばりも大切です。
◇食事の時は、おかずと容器の場所を教えてあげたり、お茶のサービスもお願いします。
◇手引きする時は、自分の右手を左手でつかんでもらうようにするのがいいようです。
◇歩く時は、安全な側を全盲生というのが原則です。
◇まがり角、階段、障害物などでは、危険のないよう気をくばってあげてください。
◇「あっちです」、「こっちです」、というのは見えない人には分りにくいものです。「あなたの左です」「うしろです」などはよく分ります。
◇弱視生の中には目の打ぼくに弱い生徒がおり、まともに目にボー
キャンプファイヤー