教育福島0116号(1986年(S61)11月)-032page

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十種を調査した。今年度は更に六十種を調査し、その成果を報告書として刊行する。

 

五、中世城館跡調査

 

近年、開発事業によって地理的景観や歴史的風土は急激に変貌しつつある。開発の波は、平野部から丘陵地、山地へと押しよせ、主たる立地を丘陵地においている中世の城館跡にまで及びつつある。

本調査は、開発行為による影響が懸念される中世の城、館、屋敷、砦、蜂火台、物見台跡等の関連遺跡について、その位置、規模、遺構の残存状況及び周辺の歴史的状況等について調査し、記録保存を図るものである。

昭和六十年度より三年継続で事業を進めている。昨年度においては、基礎調査として城館等の所在・分布等の悉皆調査を行ったが、今年度はこれら調査をもとに本調査を実施して調査の深化を図る。最終年度である昭和六十三年度においては、補足調査を行うとともに報告書を刊行する。

 

六、福島県の国指定文化財(要録の作成)

 

文化財に対する理解と認識を深め、文化財愛護精神の涵養を図るため国指定文化財の指定内容を集録、解説した「福島県の国指定文化財」(要録)を昭和六十一年度より三年継続で作成する。

 

七、文化財保護指導者講習会

 

文化財の保護について指導的立場にある関係者を対象として、文化財に関する知識の普及と愛護精神の高揚を図ることを目的として講習会を開催した。

○期日 昭和六十一年七月三十日〜三十一日

○場所福島いこいの村「なみえ」

○講義及び講師

「日本民俗学の原点」

福島県文化財保護審議会

委 員      岩崎 敏夫

「地名保存運動の成果と展望」

宮泉銘醸株式会社

取締役社長    宮森 泰弘

「民家園の運営」

福島市教育委員会社会教育課

主 事      柴田 俊彰

「民俗芸能の継承と発展」

国立歴史民俗博物館

教 授      小島 美子

「浪江町の文化財」

福島県立原町高等学校

教 諭      玉川 一郎

「地域研究の方法と課題」

いわき地域学会

代表       里見 庫男

「横穴墓を考える」

国学院大学文学部

教 授      乙益 重隆

○現地研修

権現堂城跡ほか

 

八、第七回福島県民謡まつり

 

近年、民謡ブームの波に乗って愛好者がとみに増え、発表の機会がもたれている。そこで歌われる民謡は古くから歌い継がれてきたものとは姿が変り、古来の姿を日ごとに失いつつある。

生活の中で育まれ、歌い継がれてきた民謡を発掘して、一般に公開し、文化財としての価値の認識を深めるとともに記録保存を図り、将来にわたって正しく伝承してゆくことを目的に県民謡まつりを開催している。

今年度は、祝い唄と盆踊り、ことに全国的に有名な「会津磐梯山」の変遷に焦点をあて、プログラムを編成して次のとおり開催した。

 

○期日 昭和六十一年九月十四日

○会場 喜多方プラザ

○公開演目

1)田代甚句    柳津町

2)松坂      大熊町

3)松坂くどき   山都町

4)めでた     大玉村

5)めでた     大熊町

6)そば口上    喜多方市

7)熊野講餅渇き唄 棚倉町

8)下高の笠踊   喜多方市

9)高田甚句    会津高田町

10)深山唄     柳津町

11)柳津甚句    柳津町

12)子守り唄    会津高田町

13)木挽き唄    本郷町

14)会津磐梯山(東山)

会津若松市ほか

15)会津磐梯山(地元)

会津若松市ほか

16)会津磐梯山(中央)

会津若松市ほか

17)会津磐梯山(かんしょ踊)

会津若松市ほか

 

埋蔵文化財の現況

 

一、重要遺跡基本資料整備事業

 

遺跡周知事業で確認された遺跡のなかから重要遺跡をとりあげ、保護のための基本的な資料を整備する。本年度は、県北・相双地区を調査対象に、六十遺跡の立地・発掘調査等の成果を示す航空写真や記録類を収集し整備する。

 

二、指定文化財管理事業

 

一般に文化財パトロール事業と呼ばれているもので、二十一名の「福島県文化財保護指導委員」が五百五十か所を年二回巡視している。

パトロール対象の文化財は、国・県指定の国宝・重要文化財及び重要遺跡

 

 

 


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