教育福島0116号(1986年(S61)11月)-038page
研究実践レポート
国語科学習の指導法
郡山市立大島小学校教諭
鈴木 良
−解説−
本論文は、六十年度教職員研究論文入選作です。確かな理論と資料にもとづき、国語の生きた力を身につけさせるため、学級経営と国語科との接点を日記指導、新聞制作、放送活動、児童会活動に求めた新しい研究の試みをした優れた論文です。
一、研究主題設定の背景
(一) 大島小学校の国語科の考え方
児童をとりまく言語環境が、情報過多に伴って非常に乱れている現状をよく踏まえ、学校教育の中で「正しいことば」「適切なことば」「美しいことば」に対する感覚を養う必要性を痛感しています。この現状を解消するためには、国語科学習の生命とも言われる「ことば」の果たす役割をよく理解して、国語科学習全領域の中で言語事項に焦点をあて、意図的・計画的に取り扱っていくことを通して、言語感覚の鋭い児童を育てていく必要があります。
このような考えのもとに、本校では
「豊かな言語感覚を養い、確かな国語の力を育てる指導法の探究」
という研究主題を設定しています。
(二) 個人研究への受け止め方
本校の国語科の考え方を基盤にして、個人研究の基本構想を左図のように考え実践化を図った。学級経営を基盤に据え他教科・道徳・特別活動と関連付ける。
学校教育(基礎・基本の場)
〈国語科指導の考え方〉
(三) 学級における国語科指導の基本構想
学級経営の基本を特別活動と班活動に置き、一つの柱を国語科指導に、もう一つの柱を他教科と道徳の指導に置いて、総合的に言語感覚を高め、国語力をつける考え方をとっている。
二、研究主題に迫る仮説・方法
(一) 仮説
・児童各自が学習する単元に積極的に立ち向かい、自らの力で課題を作り、協力して学習計画を樹立する。(国語科・道徳)
・委員会活動、班活動を主体的に押し進め、学級作りを自らのものとして受け止める。(特活)
◎以上のことを通して、言語活動への意欲を高め、効果的に理解したり、表現したりする態度と能力を育てる。
(二) 方法
1) 国語科学習の研究方法
◎重点は学習過程に置いた
2) 道徳・特別活動の研究方法
ア、道徳→児童の実態調査から、十項目の価値を学級作りの根底に据え、道徳・各教科(特に国語科)特別活動において、重点的に取り扱うように図った。
〈十輪で結ぶ学級作り〉