教育福島0116号(1986年(S61)11月)-040page
教育センターから
マイクロコンピュータを利用した情報処理教育
一、はじめに
高度情報化社会を前に、教育におけるコンピュータ、特にマイクロコンピュータの利用については、現在、大きな関心が寄せられています。六十年度には、文部省の各関係機関から、これらに対して様々な提言が行われました。
当教育センターでは、これらをふまえ、次のような面で改善を図り、具体的に実践しています。
1)時代の変化や各学校からの要請に応じた施設・設備の充実。2)従来の汎用コンピュータによる専門教科としての情報処理研修、並びにべーシック言語を取り入れた幅の広い利用度をもつ研修の充実。3)ベーシック基礎講座の研修内容の改善と講座数の拡充。4)情報処理に関するソフトウェア・教材の開発。5)当センターでの生徒の情報処理実習内容の充実。
中でも、学習指導や情報処理に関するソフトウェア・教材の開発は、生徒の学習に対する興味・関心や理解度を高め、能力の開発や創造性を育成するのに大変重要なものとなっています。
ここでは特に、当センターで行っているソフトウェア・教材の開発を中心に紹介をします。
二、CAIとLANシステムの活用
(一) CAI用コースウェアの開発
マイクロコンピュータを利用する場合、現在注目されているのは、個別学習を主たる目標とするCAIと、CAIのためのコースウエア(CAIの教材内容を記述したプログラム)の開発です。
コースウェアは、教科・領域や学習内容に応じて多様であり、また、提示される教材の形態からも多岐にわたっています。当センターでは、これらの趣旨をふまえて種々の開発を行っていますが、そのりち二〜三の例を紹介します。
写真1)は、ドリル演習式によるコースウェアの実行例です。このコースウェアは、中学校数学の整数を教材としていますが、主に、整数の性質を理解させることを目的に構築されたものです。
1)数学を教材としたコースウェアの実行例
また、写真2)は、理科教材一化学反応一を内容とするコースウェアの実行例です。このコースウェアは、提示しにくい現象について模擬的提示を目的に開発されました。なお、その他のコースウェアについても、市販ソフトを含め現在検討、開発中です。
2)理科を教材としたコースウェアの実行例
(二) LANシステムによる実践
昭和六十一年四月、当センターに本県初のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)システムが導入されました。
このシステムは、教師システムと生徒システム群がネットワークで結ばれており、音声・画面切り換えによる教