教育福島0116号(1986年(S61)11月)-042page
生涯教育インフォメーション
地域に根づく高等学校開放講座
先端技術のパソコン・ワープロを学習
一、はじめに
今日、科学技術の進歩、産業構造の変化、国際化時代の到来、高齢化社会の進行などとともに、人びとの学習要求はますます高まってきています。
このような中にあって、私たちがより充実した生活を送るためには、一人一人が生活の目標を持ち、それを達成するための学習を続け、意欲を持って生きるという主体的な姿勢をもつことが必要になっています。
県教育委員会では、このような背景を踏まえ、県民が、いつでも、どこでも、だれでもが生き生きと学習できる社会の形成をめざして昨年度生涯教育推進本部を発足させ、県民の皆さんの生涯学習の奨励、援助に努めています。
二、高等学校開放講座の位置づけ
高等学校開放講座は、生涯教育推進事業の広域学習事業に位置づけ、一般成人を対象として、高等学校のもつ人的・物的教育機能を地域住民の皆さんに開放し、専門的知識や技術を習得できる身近な学習機会の拡充をねらいとして開設しました。
三、学習内容
本年度は、パソコン・ワープロに関する学習を中心に県下七高等学校において開設しましたが、各校どもそれぞれの特色を十分に生かした魅力ある学習プログラムを展開し大きな成果をあげました。(表1)
四、受講生の声
◎今や、コンピュータ時代といわれるが、五十路を越えた私もこのたびの公開講座を知り受講しました。初めて訪ねた白河実業高校は実に立派な校舎、整備された環境にあり、コンピュータ室や、タイプライティング室、視聴覚教室などの設備には目を見張るばかりで、終戦後おんぼろ木造校舎でふるえながら勉強した高校時代を思い出し、「隔世の感とは、まさにこのことなんだな」と実感した次第です。
それにしても、コンピュータとの初めての対面は驚きでした。機械の持つ能力、容量の大きさ、そのスピード、正確さに圧倒されてしまいました。
しかし、機械はあくまでも機械で、入力が間違っていれば、句点一つ抜けてもかたくなに作動を拒否し続けます。初心者にとっては小憎らしい意地悪者のようにも思いました。おかげさまで暑さもそれ程苦にならない夏を過ごせました。
コンピュータとの出会いは、よき対話相手に恵まれた感じで、これからの勉強によってよき友達づきあいをしていける機会だったと思います。
先生方の御指導を感謝します。
(五十四歳・男)
パソコン操作実習風景(県立勿来工高)
バイオテクノロジー入門(県立白河実高)