教育福島0118号(1987年(S62)01月)-009page

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おります。

 

2 体育担当教員の資質の向上

 

学校における体育に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行わなければならないが、教科体育を基盤とし、体育的クラブ活動、部活動等における教師の豊かな人間性と指導力に左右されるところが大きいので、以前から、体育担当教員の資質の向上を図るため、特に力を入れて取り組んでいるところであります。

 

(1) 東部地区学校体育実技指導者講習会県伝達講習会

 

小・中・高校の学習指導要領に示す趣旨の理解及び指導の充実を図るため県中央講習と各教育事務所ごとの実技研修を中心に実施し、指導力の向上に努めております。

 

(2) 学校体育実技指導者講習会

 

幼稚園から高校教員までを対象とした女子体育実技(ダンス)講習会を毎年開催し、指導力の向上に努めております。また、登山指導者講習会は、夏山と冬山を隔年ごとに実施し、理論と実技及び事故防止の観点から、指導力の向上を図っているところであります。

 

(3) 格技認定講習会

 

中・高校体育担当教員を対象に、昭和五十九年度より柔道、剣道の初段から四段までの段位認定講習を実施し、資質の向上に努めております。

また、昭和六十二年度から、新規に格技指導者養成講習会を開催し、柔道及び剣道指導の経験の浅い教員を対象に基本的技能習得を中心とし、指導力の向上を図るよう計画しているところであります。

 

(4) スポーツテスト指導者講習会

 

本県では、全県にわたり小・中・高校全体でスポーツテストを実施して体力・運動能力の向上を図っています。

昭和五十五年度から本講習会を開催し、体力・運動能力の把握のし方及び児童生徒の実態に応じた運動処方のあり方等について研修を深め、学校の教育活動全体を通じて運動の生活化を促すよう指導の充実に努めております。

 

(5) 学校体育実技指導協力者派遣事業

 

1)講習会・研究会へ派遣

教員を対象とする水泳、柔道、剣道、器械運動等の講習会等に、民間の優れた指導者を派遣し、学校体育実技の指導力の向上に努めております。

2)学校へ派遣

小学校の水泳、中学校の柔・剣道の授業で児童生徒に対し、体育担当教員に協力して実技の補助指導等を行うため、民間の優れた指導者を学校へ派遣し、学校体育実技の指導力の向上に努めております。

 

3 学校体育施設・設備の充実

 

(1)学校体育館

 

高等学校には、全校に設置されており、小・中学校では、一部の分校や小規模校を除きほとんどの学校に設置されています。しかしながら、教科体育、クラブ活動等を更に円滑に進めるため、第二体育館の建設が望まれております。したがって、今後は、学校体育館の未設置校を計画的に解消するとともに、学校の実態に応じて第二体育館の設置を検当する必要があり、児童生徒の体力つくりのための設備の整備充実に努める必要があります。

 

(2) 学校水泳プール

 

小・中・高校ともに設置率は七十五%以上となり、逐年整備されていますが、今後とも、水泳の普及・振興と体力の向上、水難事故の防止のため、未設置校への設置を計画的に推進する必要があります。

 

(3)柔・剣道場

 

柔・剣道場の設置率は、中学校では十五校(約六%)高校では七十校(約八十%)となっており、中学校においては、体育館等を活用して格技指導を進めている状況にあります。したがって、今後は、格技指導を充実させるため、柔・剣道場の設置を推進するとともに備品等の整備充実に努める必要があります。

 

格技認定講習会(剣道)

格技認定講習会(剣道)

 

4 学校体育関係団体

 

学校体育団体には、県中学校体育連盟、県高等学校体育連盟があり、それぞれ学校体育の健全な発達を図ることを目的として活動しております。

主な事業は、各種体育大会の開催、体育の研究調査及び体育に関する諸団体との連携を図り、中・高校生の健康・体力の増進と健全なスポーツ活動を推進し、学校体育の振興に大きな役割を果しています。

小学校においては、県小学校教育研究会体育部会と一部の市町村に設立されている小学校体育連盟が、体育的行事の開催、体育の研究調査等を行い、小学校体育の充実発展に努めております。

また、県学校体育研究連合会においては、小・中学校及び高等学校における体育指導の一貫性、授業の充実等に関する事業を推進し、本県学校体育の振興のため寄与しています。

 

 

 


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