教育福島0118号(1987年(S62)01月)-011page

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るのは従来からの一般的な傾向ですが、図2のとおり、高等学校でやや減少傾向にあるものの、小・中学校ではほぼ横ばいの状態にあります。昭和六十年度の状況を見ますと、小学校を除き、中学校、高等学校で全国を下回っております。

その他の疾病・異常について見ますと、それぞれ極端に高い被患率を示しているものはありませんが、小・中学学の疾病・異常のベストテンの中に肥満傾向が見られることは特に注目されます。肥満が成人病を引きおこす主たる原因といわれているだけに、その予防と対策は、学校保健の重要な課題といえます。

県教育委員会といたしましては、児童・生徒の疾病・異常対策の一環として、学校保健関係者を対象とした講習会、研修会を開催しているのをはじめ、県立学校の幼児・児童・生徒の尿検査、幼児・児童の寄生虫卵検査及び新入生を対象とした心電図検査を実施しております。

また、むし歯予防推進校や健康つくり研究推進校を指定するとともに、よい歯の学校及び健康優良学校を表彰するなど、学校保健の充実に努めております。

今後とも、これらの事業の充実に努めてまいりますが、各学校においても、臨床医学的検査、定期健康診断後の事後措置の徹底を図るとともに、家庭や学校医等との連携を密にし、保健体育、保健管理の充実に努める必要があります。

 

図1 う歯未処置児童生徒の割合の推移

注:「学校保健統計調査報告書」(昭51〜昭60)

注:「学校保健統計調査報告書」(昭51〜昭60)

 

図2 裸眼視力1.0未満児童生徒の割合の推移

注:「学校保健統計調査報告書」(昭51〜昭60)

注:「学校保健統計調査報告書」(昭51〜昭60)

 

(2) 教職員の健康管理

 

昭和六十年度の成人病検診の実施結果によりますと、受診率は小・中学校、県立学校教職員とも九十五%前後の高い率を示していますが、精密検査を要すると診断された者のうち、実際に精密検査を受けた者は、小・中学校教職員が六十六・五%県立学校教職員が八十三・九%で、特に小・中学校教職員の受診率が低いのが目につきます。

また、結核検診についても、受診率は小・中学校、県立学校教職員とも九十二%台ですが、完全受診には至っていない状況です。

今後とも、健康診断の完全受診をめざし、教職員の健康管理に対する意識の高揚に努める必要があります。

 

3 安全教育・安全管理

 

(1) 学校管理下の災害事故

 

昭和五十一年度から六十年度までの学校管理下における災害発生状況を見ますと、図3のとおり、小学校では、五十四年度以降毎年増え続け、中学校高等学校では、年度によって増減はありますが、いずれも、六十年度はこれまでの最高件数となっています。特に中学校の六十年度の発生件数が、前年度と比較して約一千件も急増していることが目につきます。

なお、校種別に見ますと、高等学校の発生件教は、小・中学校と比較してほぼ半数と少ない状況にあります。

次に、災害発生状況を形態別に見ますと、小学校では、休憩時間中の事故が全体の約五十%を占め、中学校、高等学校では課外指導中のいわゆる体育的部活動中の事故が、それぞれ三十%と約五十%を占めております。

その他、校種によって、災害発生状況にそれぞれ特徴が見られますが、いずれにしましても、学校管理下における災害事故の発生を防止するには、事故の発生状況をつぶさに分析し、児童生徒の発達段階に応じた安全教育と安全管理の充実に努める必要があります。

 

(2) 児童・生徒の交通事故

 

図3 学校管理下の災害事故発生状況

注:「学校管理下の児童生徒の災害の実態」(昭51〜昭60)

注:「学校管理下の児童生徒の災害の実態」(昭51〜昭60)

 

 

 


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