教育福島0118号(1987年(S62)01月)-015page
また、市町村におきましても、地域スポーツを普及するために、体育大会をはしめ、運動会、種目別競技会、スポーツ教室等の開催やスポーツクラブの育成に努めております。
今後も、これらの事業の一層の充実を図り、住民のスポーツに対する意識を啓発し、スポーツ活動の日常化に努めてまいります。
そのためには、行政機関並びに民間関係団体が一体となり、広く地域住民が体育・スポーツ活動に親しめる諸条件の整備を図る必要があります。
また、地域や学校、さらには家族ぐるみの体育・スポーツ活動を推進し、県民総スポーツ運動を展開することにより県民の健康・体力の増進と競技力の向上に努めてまいります。
なお、新しい地域社会つくりの一環として、市町村では、地域に根ざした特色あるスポーツ活動を育成することも必要であります。
(1) スポーツ教室の開設
住民のスポーツ活動への意欲を高め、スポーツ人口の拡大とスポーツクラブヘの発展を図るために、多彩なプログラムを用意し、施設の機能を十分生かし、年間を通じてスポーツ教室を開設することが求められております。
(2) スポーツクラブ・グループの育成
スポーツ教室終了者や同好者が、地域や職場において、自主的・自発的なスポーツクラブやグループをつくり、継続的に活動を展開することが地域スポーツの普及を図るうえで重要であります。
行政機関は、指導者や施設などの諸条件を整備し、スポーツクラブの育成に取り組む必要があります。
また、会員が協力して、自主的なクラブの運営に当たることが重要であります。
(3) スポーツ行事の開催
広く住民が参加できるスポーツ行事を継続して開催することは、スポーツの楽しさを体験させ、県民総スポーツの輪を広げていくうえで極めて有効であります。
従来から実施されている諸行事について、その内容を住民が広く参加できるよう見直すことが必要であります。
2 指導者の養成と指導体制の確立
県民の体育・スポーツ活動を推進するためには、優れた資質と専門的な知識・技能を持つ指導者の養成・確保と指導体制の確立を図ることが重要であります。
県をはじめ、市町村及びスポーツ関係団体は、体育・スポーツの指導者の養成のために、各種講習会や研修会を開催するとともに、有機的な指導体制の確立をめざし、指導組織の拡充に努めております。
(1)指導者の養成
1) 地域における指導者の養成・確保
地域における体育・スポーツ活動を促進するためには、地域住民に身近かなスポーツ指導者を多数養成することが必要であります。
現在、地域における指導者としては、体育指導委員をはじめ、スポーツ関係団体所属の指導者、居住区単位の体育推進指導者があげられますが、これら指導者の養成については、県・市町村関係機関の積極的な働きかけが望まれます。
●体育指導委員
体育指導委員は、地域住民と行政のパイプ役として市町村における体育・スポーツの振興に大きな役割を果たしております。
現在、県内には、一千三百六十二名の体育指導委員がおり、人口一千六百人に一人の割合となっておりますが、特に人口の多い市町においては、その割合からみて、その数が少ない現状にあります。今後は、更に増員を図るとともに、体育・スポーツ活動の推進のために、より指導的な役割が果たせるよう、資質の向上に努めてまいります。
●実技指導者
(財)日本体育協会公認のスポーツ指導員やレクリェ−ション協会公認指導者等、民間体育・スポーツ関係団体公認の指導者は、それぞれの専門的な立場から地域におけるスポーツ教室や自主グループのスポーツ活動の実技指導に当たっております。
本県の実技指導者は、表3のとりでありますが、地域住民の多様なスポーツ欲求に対応するためには、これら指導者の資質の向上と有効活用が今後の課題であります。
●体育推進指導者
町内会や方部など小生活集団における地域スポーツ活動を推進するために世話役的な役割を果たす体育推進委員等の組織を持つ市町村が増加しつつあります。
地域住民の皆スポーツをめざすためには、居住区単位における体育推進指導者の組織体制を地域の特性に応じて整備することが一つの課題であります。
表3 体育実技指導者数
注:「保健体育要覧」(昭55、60)
2) 職場における指導者の養成
近年、職場で働く人々の健康・体力