教育福島0118号(1987年(S62)01月)-031page

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ていない。

二つは、授業の過程で、何を考え、問題解決にあたっているかという児童の意識の流れを予測した授業が展開されていない。

三つは、教えるということに力点が置かれ、児童の自由な思考による活動が展開されていない。

 

以上のようなことは、児童の立場に立ち、授業を組織したり、展開したりすることが足りなかったということである。

児童の立場に立って授業を見直したとき、児童が問題を把握し、それを解決するまでの過程で、児童の考えをより多く生かすことが大切であると考えた。

そのためには、児童自らが「やってみたいこと」「調べてみたいこと」を主体的に決めなければならない。それは、単位時間に止まらず、単元全体を見通したものであれば、児童の多様な発想も可能になり、学習意欲の持続にもつながる。したがって、これらのことは、問題を把握し、学習課題作りをするときに行われなければならない。つまり、単元の第一時間日に位置づけるように考えたのである。

単元の第一次元に児童の自由な試行、多様な考えを生かし、単元の展開を見通すような「学習課題作り」をさせるために、次のような仮設を立てた。

 

(二) 仮  設

 

単元の導入において、単元の指導自標のほとんど総てと関連性を持つ中心事象を提示し、それに対して児童の自由試行を基盤とするなじむ活動をさせれば、児童一人一人に主体的な学習課題作りをさせることができ、問題を把握する力の育成が図られるであろう。

1) 単元の導入に、中心事象一単元の指導冒標のほとんど総てと関連性を持つような事象)を提示する。

2) 中心事象に対して、なじむ活動(自由試行を基盤とした様々な働きかけ)をさせる。

3) なじむ活動を通して、気づいたこと、わかったこと、考えたことをもとに、児童自らが、常習課題作りができるようにする。

 

三 研究の計画と組織(省略)

 

四 研究の構想

 

(一) 問題解決力育成の構想(資料2)

 

問題解決力の育成は、その性質上、問題解決学習の方式によって行われると考えられるが、児童が進んで問題をとらえ、自らの能動的思考によって、問題を解決できるようにするために、問題解決学習方式の授業を基本としながら、活動計画や学習過程の中に次のような三つの場を構成した。

1)問題意識を育てる場

2)調べる活動を工夫する場

3)考えをまとめたり、深めたりする場

これらの三つの場を適切に構成していけば、児童が主体的に活動し、学習指導要領に掲げられている指導目標の達成を図ることができるどともに、児童に能力として問題解決力を身につけることができると考えた。

 

キャベツ畑での授業

キャベツ畑での授業

 

資料2 問題解決力育成の構想

資料3 中心事象となじむ活動条件

 

資料3 中心事象となじむ活動条件

 

 

 

 

 


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