教育福島0119号(1987年(S62)02月)-031page

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きいことを認識させることも大切である。

芸術の学習は造形的創造活動による美的体験であり、表現と鑑賞の学習を通じて、芸術を理解し、愛好する心を育てることである。

 

一 表現や鑑賞についての学習指導の研究を深める

 

(一) 目標を明確に設定する。

教材の研究・開発につとめるとともに、生徒に、どの教材を、どんな方法で、どの程度学ばせ、どんな能力を伸ばしてやるのか、教材の性格や生徒の実態に応じた具体的な目標を設定し、指導の効果を高めるよう配慮しなければならない。また、生徒一人一人が充実した学習ができるよう到達目標を設定してやることも大切である。

(二) 学習過程を重視する。

学習内容を生徒一人一人の興味・関心・適性に合ったものとするため学習活動を分析し、組織し直すということも必要であり、よりきめ細かい教授=学習ができるよう検討すること、また、多様化している生徒の実態を把握し、生徒一人一人が意欲的に学習ができる授業形態を研究することも必要である。

(三) 教育機器の活用

指導計画の作成に当たっては、視聴覚教材の位置づけを明確にし、効果的な授業が展開できるよう、具体的な研究が必要である。

(四) 評価の方法を研究する。

評価で最も重視したいことは、教師は指導計画や指導法の改善、教材の有効性の吟味等に役立て、生徒は、自分の進歩とつまずきに気付かせ、その成長の姿を客観的にとらえさせることである。評価は、結果のみに偏ることなく、学習過程や参加の状況等にも目を向け、生徒の学習意欲の向上を図るよう努めなければならない。

 

二 学習環境の整備に努める

 

(一)教材、教具

教材、教具は、学習活動の充実のため、計画的に整備し、各種資料とともに、効果的に活用すること。

(二) 学習環境の整備

教室は生徒の生き生きとした創造活動に適するよう整備充実すること。また、学校全体も含め、作品展示の場として利用するなど学習環境を整備する。

 

外国語(英語)

 

外国語(英語)の指導は、学習指導要領に示されている目標の達成を目指し、学校や地域の実態、生徒の能力・適性等を踏まえた指導計画に基づいて学習指導を展開し、常に反省を加えながら、その改善充実を図っていくことが必要である。

 

一 生徒の実態について

 

(一) 実態の把握は、学力についてだけでなく、生徒個々の習熟度、学習のしかたの特徴や情意面についても対象にすることが重要である。

(二) 教科書の選択にあたっては、生徒の実態に対応する言語材料や内容であるとともに、学習活動の活性化にも効果的であるかどうかの視点からなされることが必要である。

 

二 指導法の改善について

 

(一) 英語教育の目標は、英語の基礎的な能力を養成するとともに、国際社会の一員としての教養を培う基盤を築くことである。この意味で、英語の学習に意欲を失っている生徒に意欲を与え、意欲的な生徒をさらに引き上げるような配慮が必要である。

(二) 指導に当たっては、ことば本来の働きとしての表現力を養成するために、言語活動を一層重視し、指導計画の中に明確に位置づけることが大切である。

(三) 中学校における指導内容との関連を図るとともに、指導方法についても一貫性を保ちながら中学校の指導の成果を引き継ぐように配慮することが望まれる。

(四) 視聴覚機器の活用により、生徒の学習意欲を喚起し、授業をさらに活発にすることができる。各学校の実情に対応した活用方法を研究することが必要である。

(五) 学習習熟度別指導は、習熟度別学級編成によるものであろうと、本質的には個々人の学習の成立を目指している。従って、生徒一人一人の現在における学習到達状況の的確な把握、次の到達目標(群)の設定、それを達成する道すじ等について研究と実践が欠かせない。

(六) 指導の成果は、教師と生徒との人間的な交わり、信頼関係の上にはじめて期待できる。生徒の可能性を引き出そうとする教師の努力の中で生徒との人間的な共感が深まり、結びつきは一層強くなる。この基盤に立って、生徒が成就感を味わえるような授業の展開が特に望まれる。

(七) 指導に当たっては、年間計画や指導過程の中に評価を適確に位置づけ、指導方法の改善工夫を図る必要がある。

 

三 教育課程の編成について

 

(一) 英1)・英2)は、四技能の調和のとれた総合性を目指し、これ自体で完結するものであり、1)A〜2)Cへの準備ではないことを再確認したい。

 

 

 


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