教育福島0119号(1987年(S62)02月)-044page
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と政治」(四時間)と「みんなでする政治」(四時間)を合わせて八時間の内容構成にした。すなわち、前半の四時間で、選択学習によって「人の一生の生活が、政治と密接に結びついていること」をとらえさせ、後半の四時間で「国の政治のしくみ」について、ととらえられるよう配慮した。
また、選択学習では、学習の進めかたにかなり個人差がみられるので、個別指導の中心をノートに置いて、授業を展開することにした。
(四) 仮説(1)の結果と考察
本小単元では、児童の身近な事例(教科書・予防注射)から学習のきっかけをつかませることにした。また、選択学習に入る前に、選択案内や学習タイプのチェック表を活用して、少しでも児童の適性に合ったコース選択ができるようにした。
その結果、学習課題や各コースの内容を教師側で設定する点に問題を残しながらも、四つのコースの中から自分に合ったコースを選ぶ児童が多くみられた。
また、選択学習に入る前に、見出し集めなどの作業学習を取り入れることで、社会科の苦手な児童も意欲的にすることができた。
(五) 仮説(2)の結果と考察
本研究では、学習計画表に次の機能をもたせることにした。
○ 小単元の学習の中で、本時の位置をはっきりとらえさせる。
○ 授業を通して「わかったこと」と「わからないこと」をはっきりさせる。はじめのうちは、めんどうがっていた児童も学習のしかたに慣れてくると、少しずつ興味を示しはじめ、何かしら授業の反省を書き込むようになってきた。このことが個別指導の際に大いに役立った。
(六) 仮説(3)の結果と考察
本小単元では、教師中心の画一的なまとめ方をさけ、児童のまとめに対する方向で、終末段階のまとめに多様性をもたせていくことにした。すなわち、新聞づくりやイメージマップを利用したまとめなど四つの中から選べるようにした。
その結果、学習問題に対する自分の考えをはっきりと打ち出したまとめかたが多くなり、児童も意欲的に取り組むようになってきた。
(七) 卒業論文について
児童一人一人が学習課題を課題を設定し、内容・方法ともに自分で模索しながら、学習を進めることをねらったものである。事前指導として、冬休みに入る前に卒論のまとめ方について簡単な指導を行った。
その結果、自分のテーマと予想(自分の考え)を明らかにしたうえで、調べ学習を通してわかったことをユニークな手法でまとめたものが、多くみられるようになった。(資料2)
全体的には、程度の差はあるが、一人一人の資料をみる目が少しずつ高まってきているといえる。
(8) カルテにもとづいたノート指導
「社会科学習個人カルテ」の内容としては、「性格・行動」「知識・理解」「資料の活用」「考え方の傾向」「関心・態度」「ノートの活用」「発表力」の七項目とし、その中でも「資料の活用」と「ノートの活用」に指導の重点を置いた。(資料3)
個人カルテを取り入れたことにより、資料の読みとり方やノートの活用のしかたについての個別指導がしゃすくなってきた。なお、カルテの形式とその活用については、より弾力性をもたせることが心要である。
資料2 卒論のまとめの例
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図書室でのひとり調べの場面
六、児童の変容
(一) 教師の目を通した児童の変容
(1) 小単元指導計画に児童の学習に対する欲求をとり入れ、時間的にゆとりをもたせることにより、追究活動が意欲的になり、追究の持続する時間も一単位時間にとどまらなくなつてきた。
(2) 学習計画表に学習の進度や授業の反省を書くことにより、本時の位置がわかり、また、これからの学習について見通しをもつことができる児童が増えてきた。(資料4)
(3) 文章によるまとめが苦手だとしていた児童が、(断片的なまとめ方であっても)イラストや吹き出しを利用してまとめようと努力するようなってきた。
(4) ノートの使い方が、少しずつていねいになってきて、アイディアを生
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