教育福島0123号(1987年(S62)08月)-008page
特集1
豊かな人間性をはぐくむ
学校教育の推進
義務教育課
はじめに
臨時教育審議会第二次答申では、「二十一世紀に向けての教育の基本的な在り方」と題して、学校教育の荒廃を大きく取り上げ、「学校と教師ならびに教育界は、厳しい現実とその背景にある深刻な教育荒廃の事実を直視し、子どもたちの未来のために、相携えて学校改革、教育改革に立ち上がらなければならない」と提言している。
また、未来の社会を展望し、二十一世紀のための教育目標として、
一、ひろい心、すこやかな体、ゆたかな創造力
二、自由・自律と公共の精神
三、世界の中の日本人
を掲げている。
更に、教育の活性化とその信頼を高めるための改革は、生涯学習体系への移行にあるとして、数々の提言をしている。
教育課程審議会(中間まとめ) (昭和六十一年十月)の「教育課程の基準の改善のねらい」では、次の四点に留意して改善を行う必要があると述べている。
1、豊かな心をもち、たくましぐ黛きる人間の育成を図ること。
2、自ら学ぶ意欲と社会の変化に虫体的に対応できる能力の育成を重視すること。
3、国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること。
4、国際理解を深め、我が鼠の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視すること。
本県においては、「未来をひらく、心豊かなたくましい人間」の育成をめざし、本誌の二・三月号に「学校教育指導の重点」を示して、各小中学校に御努力を願い、着々とその成果をあげてきている。
しかし、「豊かな人間性をはぐくむ学校教育の推進」のためには現行学習指導要領と臨時教育審議会、教育課程審議会の答申の趣旨を踏まえ、謙虚に学校教育の在り方を評価、分析し、積極的に改善の道を拓く努力を更に進めなければならない。
そのためには、以下に示す内容について、再度点検して学校教育の改善を進める必要がある。
1、心豊かなたくましい人間の育成
心豊かなたくましい人間像を明確にとらえ、各教科の単元・題材等の目標設定や指導内容の構成、あるいは具体的には、教育活動の展開の中で、それを育てる努力をする必要がある。そのためには、昭和五十一年の教育課程審議会より答申された「人間性豊かな児童生徒」を育成するための七つの強調点をおさえるとともに、六十一年答申