教育福島0123号(1987年(S62)08月)-009page

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の次の項目を重視する必要がある。

・ 真理を求める心や自然を愛し、美しいものや崇高なものに感動する心を育てること

・ 生命を尊重する心や他人を思いやる心を育てること

・ すこやかな精神と身体を育てること

・ 基本約な生活習慣を身につけ、自らの意志で社会規範を守る態度を育てること

・ 自律・自制の心や強靭な意志と実践力を育てること

・ 自ら生きる目標を求め、その実現に努める態度を育てること

 

2、ゆとりある充実した学校生活

 

ゆとりある充実した学校生活が展開されているか否かを次の点から分析し、改善を図る必要がある。

 

(1) 学校生活全体における「ゆとりと充実」

○ 児童生徒が発達段階に応じた活動、生活を主体的に展開し、真に充実した生活となっているか。

特に、削減された授業時数が学校の教育活動にゆとりをもたせ、更に、学校の教育目標を達成するために活用されているかを検討する必要がある。

なお、削減された時間は、次の順序により活用することが望ましい。

1) 学校生活全体にゆとりをもたせる。

2) 特別活動を充実する。

3) 「創意を生かした教育活動の時間」として活用する。

 

(2) 一つのことを追求する「ゆとりと充実」

〇 一つの課題をゆとりをもって追求し、成功感、成就感を得る学習が展開されているか。

特に、教師は、「術を尽くしてしかも待つ」計画性と心のゆとりをもつているかを点検してみる必要がある。

 

(3) 主体性確立のための「ゆとりと充実」

○「学び方を学ぶ学習」が展開ざれ、記憶中心の教え込み教育から脱皮−しているか。

特に、教師は、児童生徒が自発的に学習する機会と場の設定や学習環境の工夫をしているかを絶えず点検する必要がある。

 

(4) 情緒安定のための「ゆとりと充実」

○ うるおいや人間性のある充実した生活ができる雰囲気が醸成されているか。

特に教師は、温かい心の交流が行われるより教師と児童生徒の人間関係をつくっているかを絶えず点検する必要がある。

 

3、自己教育力の育成

 

「急速な社会変化への対応」「生涯学習体系への移行」等の観点から、自ら主体的に学ぶ意志、態度、能力の育成、すなわち自己教育力の育成を重視する必要がある。

自己教育力は、生涯にわたって自己を教育し続ける意志を形成することであり、そのためには、次のような場と機会を設定する必要がある。

○ 学習への動機を与え、学ぶことの楽しさや達成の喜びを体得させる。

・ 実物ないし本物教育あるいは、体験的学習など学習の手段や方法の工夫

・ 児童生徒の能力、適性あるいは興味・関心への配慮

○ 学習の仕方を習得させる。

・ 学習の手順、手だてを明確にし

学び方を学ばせる指導の工夫

・ 問題解決的あるいは問題探究的学習方法を重視した指導の工夫

○ 自己探究や人間としての「生き方」を学ばせる。

 

4、「基礎・基本の徹底」と「個性と創造性の伸長」

 

(1) 基礎・基本の徹底

知・徳・体の調和ある人間育成のための基礎・基本は何か。国家、社会の一員として望ましい人間形成を図る上で必要な基礎・基本は何かを明らかにし、教育内容を精選、重点化し、確実に身につけさせる方法を工夫する必要がある。

なお、基礎・基本を次の点からとらえることが大切である。

1) 学校教育を単なる知識の伝達の場とせず、思考力、判断力、表現力、創造力を養うことを知育の基本に据える。

2) 基本的生活習慣のしつけ、自己抑制心に裏付けられた自主性の滴養などを徳育の基本に据える。

3) 健康、安全の保持増進に必要な知識、技能の習得、発達段階に応じた正しい運動の実践方法や楽しみ方の習得などを体育の基本に据える。

前年までの教育課程の実施状況の評価、反省を生かし、学習の適時性を考慮して、特に、各教科の内容の精選に当たることが必要である。

(2) 個性と創造性の伸長

教師は、児童生徒一人一人のもつ能力や適性を尊重し、これを最大限に伸ばすとともに、創造力の育成を図ることが必要である。そのためには、

〇 一人一人の能力・適性・興味・関心等を的確にとらえる。

○ 個人差に応じた学習指導法を次の点から工夫する。

・ 学習時間や学習量の調整

・ 教材の開発と提示の仕方

・ 学習形態の組み合せ

・ 学習課題、学習コースの選択

 

 

 


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