教育福島0123号(1987年(S62)08月)-010page

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・ 教師の発言や板書など指導方法

・ 指導に生かす評価

○ 小学校低学年における合科的指導の改善、充実を図る。

○ 中学校における選択教科の運営や指導方法の改善、充実を図る。

 

以上、学校教育の改善を進める観点を述べたが、以下に示す具体的内容、方法を各学校の実態に応じ、力点を定めて努力し、二十一世紀に生きる「心豊かなたくましい人間」を育てて欲しいものである。

 

一、教育目標の具現

 

学校の教育目標は、児童生徒一人一人が、自分の目標としてとらえ、具体的に実践したときに初めて具現されたといえる。

したがって、学校の教育目標の具現ということは、抽象的に表現されている目標を具体化し、その具体化した目標を達成するための方策や計画をち密に立て、それを児童生徒が行動として具現し、態度化にいたるまでの過程ととらえることができる。

 

1、教育目標の具体化

 

教育目標を具体化するということはその意味内容を一層明確にすることである。これは、方向目標レベルの教育目標から、到達目標レベルヘの具体化をめざすことである。

教育目標の具体化の過程で最も大切なことは、教職員全員が主体的、意欲的に参画し、「何を いつ、どんな方法で、誰が推進役で、どこまで達成させるか」を明ちかにし、共通理解のもとに実践できるようにすることである。

したがって、各学校では、前年度の教育目標を踏襲する場合であっても、次の過程を経ることが重要である。

ア 教育目標が、どのような背景のもとに設定され、法規、県や市町村の目標、児童生徒の実態、親や教師の願い等の関係がどのようになっているかを確認し、目標設定の経過を明確にとらえる。

イ 教育目標の分析内容を点検し、整理し、構造化して、さらに一層の具体化を図る。

ウ 前年度の反省事項、児童生徒の実態を考慮して、本年度の重点目標を設定する。

エ 達成度を評価可能な具体的目標とし、達成のための組織、計画、方法を明らかにする。

(1) 学年・学級目標への具体化

学年目標は、学年の発達段階や教育課題に即して、学校の教育目標を具体化し、その到達すべき指標を明らかにしたものである。

学年目標は、学年を担当する教師が共通の構えをもって、学年経営の推進に努める目標であり、学級目標を設定する際の方向づけをするものである。

その設定に当たっては、次の点に留意する必要がある。

ア 教育目標の内容を的確にとらえ、児童生徒の発達段階や実態に応じた具体的内容とする。

イ 目標を日常生活のどのような場で達成させるか、その指導の場と機会を明らかにする。

ウ 目標が各学年の段階で、どの程度達成できるか、目標値が高過ぎないかなどを検討する。

エ 目標のどこに重点を置くか、月、学期、学年毎に明らかにする。

オ 教師それぞれの役割を明確にし、目標達成のための推進と評価改善が容易に行えるようにする。

学級目標は、その学級が目指す学級自体の目標である。学級目標が、その学級の実態や学級担任の教育観などによって、多少の違いはあるにしても学校の教育目標、学年の目標を受けたものでなければならない。

小学校中学年以上では、学級目標設定には、児童生徒が積極的に参加し、自らの目標として設定することが望ましい。そのためには、次の方法が考えられる。

ア 学級の実態(伸ばしたい点、改めたい点)をとらえさせる。

イ 学級目標を設定する理由や、学校、学年の目標との関連で設定することを理解させる。

ウ 学級の目標とする過程をとらえさせる。(学習、生活の両面から)

エ わかりやすく、常に意識しやすく、評価しやすい表現となるよう工夫する。

オ 児童生徒一人一人が学級目標に対する自分自身の到達目標と到達期日等を設定する。

(2) 各教科、道徳、特別活動の目標への具体化

教育目標を教育課程の編成、実施や授業の実践にどう結びつけ、具現するかは、最も研究を深めなければならない問題である。学校の生活時間の大半を占めるこの時間に目標を達成することが最も必要であることは、だれもが認めるところである。

したがって、自校の教育目標のどのような内容が、各教科、道徳、特別活動のどんな場で達成することができるかを検討し、意図的・計画的に指導が展開できるよう具体化する必要がある。

そのためには、次の方法等が重要である。

ア 本年度の重点目標達成の観点から教育課程を編成する。

例えば、「よく働く子ども」の育成が重点であれば、特別活動の時数を増やし、勤労体験的学習を取り入れる等の工夫をする。

イ 具体化した目標を、各教科(道徳特別活動)の単元、題材の学習活動の中に位置づける。

例えば、指導計画に教育目標との

 

 

 


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