教育福島0123号(1987年(S62)08月)-017page

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1、特別活動の課題と改善点

 

1) 特別活動の課題

特別活動に期待されていることは、生涯にわたる人間形成にとって必要な資質や豊かな個性、社会性を培うための基礎的、基本的事項を体験をとおして習得させることである。

このことは、急激に変化する社会環境にあって、児童生徒の生活経験の稀薄さが次のように指摘されていることからも明らかである。

○ 同学年を中心とした、集団生活の場と機会はあるが、学年をこえた集団の生活経験の場が少なくなってきている。

○ 家の中で過ごすことが多く、活動量が少なくなってきている。

○家事手伝い等の勤労体験の場と機会が少なくなってきている。

○ 学習塾やけいこ事に行く機会の増加等により、集団の中で自己の能力や適性を発見し、主体的に学ぶ経験の場が少なくなってきている。

したがって各学校では、このような実態をふまえるとともに、望ましい人関係の醸成、基本的な生活習慣の形成、心身の健康と安全な生活、人間としての生き方、奉仕の精神や国を愛する心の涵養等について特に指導の充実を図る必要がある。

(2) 特別活動の改善点

1) 実態に即した創意ある指導計画に改善する。

教育活動全体について、児童生徒の生き生きとした活動が展開されているか、人間的なふれ合いを深める活動となっているかなどの視点から見直し、児童生徒の側に立った充実した活動を創造する必要がある。

そのためには、次の点に留意する必要がある。

ア、「なすことによって学ぶ」という実践活動を基本として、活動のねらいや方法を実態に即して具体的におさえるようにすること。

イ、地域や学校、児童生徒の実態に即し、学校の教育目標の達成を目指した特色ある計画となるよう工夫すること。

ウ、各内容の特質の理解を更に深めるとともに、内容相互の関連を図り、それぞれの計画の充実に努めること。

2) 実践的、体験的な活動を主体的に学ばせるための指導法の改善に努める。

各学校では、特別活動の特質をふまえ、次のような視点から実践することが大切である。

ア、人間的な触れ合いを深め、生き生きとした活動が展開されるよう体験学習を積極的に導入する。

イ、集団生活の改善に努め、自主的、実践的な活動を充実する。

ウ、自然と触れ合う中で自己を見つめる場を設定するために自然教室等を充実する。

 

2、自発的、自治的活動を促す学級会活動

 

学級会活動における話合い活動は、「学級生活における諸問題の解決を図る活動、学級内の仕事の分担処理に関する活動及び楽しく規律正しい学級生活を築くための活動を行うこと」というねらいを受けて、学級の児童生徒が学級生活に関する諸問題を話し合い、解決するために望ましい学級づくりを目指して行う活動である。

したがって学級内での活動を通して学級集団の一員としての自覚と連帯感を高め、健全な自主性や社会性を養い、個性の伸長を図ることが大切である。

1) 基本的な留意点

学級会活動を充実するためには、一人一人の児童生徒の特性に応じた指導を重視するとともに、児童生徒自身が問題を見つけ、適切な議題を選定できる力を身につけさせるよう指導することが大切である。

2) 話合いに関する留意点

ア、学級集団は、学年学級によって様々な特質をもっているので、それらの諸条件を考慮しながら学級独自の創意工夫のもとに、児童生徒自身による実践活動を育てる。

イ、話合い活動を進める上で、司会者、記録者及び議題選定委員が必要となるが、役割については、発達段階に即して適宜交代させ、学級内の全員に経験させるようにする。

ウ、指導計画は、固定的なものでなく、融通性、弾力性をもつものであり、常に検討、改善を加える。

 

3、自主的な活動を促す児童(生徒)会活動

 

児童(生徒)会活動はへ活動そのものが単なる手段や方法でなく、児童生徒の自発的、自治的活動がねらい達成の基本となる。

したがって、その指導に当たっては次のような点に配慮する必要がある。

(1) 児童生徒自身が自己の学校生活上の問題に気づき、自発的、自治的な活動意欲を高め、自らの手で解決していこうとする態度を育てる。

(2) 児童生徒が学校内の仕事を分担処理していく過程においては、様々な内容の活動を自発的に選定していくことになるが、ねらいの達成にふさわしい内容になるようにする。

(3) 全校の児童生徒を対象とするので全職員の共通理解が何よりも大切である。そのためには、計画の段階から共通理解を図り、実践の過程ではいつでも指導に当たれる体制を整える。

 

4、学校や地域の特色を生かす学校行事

 

学習指導要領の学校行事の指導計画

 

 

 


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