教育福島0123号(1987年(S62)08月)-032page

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しまいました。十年近く陵上競技に打ち込んできた私にとっては、指導者として第一歩から大きな壁にぶつかってしまったわけです。

二年目の今年は、フォームの矯正を中心に、その子なりの実態をとらえた上で、腕振り、脚の運びなどの悪いくせを少しずつ取り除き、目標タイムにせまるよう努力を続けてきました。スタートや中間疾走などの技術指導はもちろん、仲間と競い合う中で自己の能力を高めることや、チームの一員としての自覚を持たせるなど、精神面での強化も図りました。去年に比べると、練習の量・質ともに充実してきました。それに比例するように、私の子どもに対する要求も高くなり、腹を立ててどなったり怒ったりすることも多くなってしまいました。

しかし、子どもたちは不平も言わず無理とも思える要求にも、よく応えてくれました。その結果、県中・県南の地区大会を通過し、男女合わせて九名が県大会への出場権を獲得したのです。

私は、陸上競技に関して、ひと通りの知識を身につけていたつもりでしたが、それがすべて小学生の指導に役立つものではありませんでした。「ひざがよく伸びるようにさせるには、どんな言葉を使って指示したらよくなるだろうか」などと試行錯誤を繰り返しながら、なんとか現在までたどりつけたという感じです。

これまでの指導で考えさせられたことは、教師自身の持つ知識や経験を過信しすぎると、子どもが負担過重になってしまうということです。また、子どもの持つ素晴らしい能力を伸ばすことの大切さも、改めて教えられた思いです。

私自身、今までの知識や経験を白紙に戻し、小学生の発達段階を十分に考慮したうえで、一人一人の子どもに合ったわかりやすい指導の言葉を見つけ出していかなければと思っています。

県大会に向けて、「また、子どもとともに歩んでいこう」と、決意を新たにするこのごろです。

(滝根町立滝根小学校教諭)

 

表紙写真について

 

ナガバノモウセンゴケ

(モウセンゴケ科)

本州では尾瀬特産の食虫植物として有名である。

葉の腺毛に分泌した液が露を帯びたように見えて美しい。花は細い茎の先端につくが、とりたてて美しいというほどのものではない。

(撮影地・尾瀬)

 

クマガイソウ(ラン科)

杉山や竹やぶなどに群生する。花の形を源氏の武将熊谷直実の母衣に見立てて名づけられたもので、平家の公達の名からつけられたアツモリソウと対比させられている。

(撮影地・福島市西部)

 

コマクサ(ケシ科)

高山帯の火山礫地に自生し、本県では尾瀬の燧ヶ岳で見ることができる。花の形が馬の顔に似ているために名づけられた。

高山植物の女王と呼ばれ、暑さに弱いところは文字どおりの美人薄命だが、大食(肥料が大好き)で、実生や根伏せでよく増えるところなどは、美人や女王のイメージとは少し違う。

(栽培品の白花〈アルビノ〉を撮影)

 

指導資料紹介

〜義務教育課〜

 

郷土教育の手引(第一集)

「ふるさとを見つめて」

地域に根ざした教育を充実し、郷土の発展を願う態度を育成するため郷土の風土、文化、伝統等の素材をどのように取り上げ授業として発展したちよいかを典型的事例で示したもの。理論として、郷土教育の意義と必要性、教育課程における郷土教育などを述べている。

 

特別活動指導の実際(第二集)

−児童・生徒活動編−

特別活動の充実を目指し、昨年度より三年計画で県下の指導職員が研究してきた成果を編集したもの。内容は児童(生徒)活動の指導に当たっての基本的な考え方を述べるとともに、豊富な指導事例をのせている。

 

生徒指導資料(第四号)

「登校拒否問題解決のために」

昨年度の「いじめ問題解決のために」に続き、生徒指導上の問題を取り上げていくもの。以下、万引、校内暴力、性非行の問題を取り上げていく予定。

 

 

 


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