教育福島0123号(1987年(S62)08月)-048page

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養護教育センター通信

 

障害をのりこえ社会参加をめざそう

 

校内就学指導委員会の効果的な運営

 

一、はじめに

 

心身障害児の就学指導屡市町村と県の教育委員会が行うものであり一市町村の教育委員会は第一次的な責任を持ち、県教育委員会は補完的な役割を果たす関係にあります。しかし、就学指導を適正に推進するためには、ごれち就学指導関係者だけでなく、就学前の指導の関係者をはじめとして、小・中学校及び養護教育諸学校の関係者によって、適切な情報や資料に基づいた相談や援助が継続的に行われることが大切です。

そこで、今回は、「校内就学指導委員会の効果的な運営」について述べてみようと思います。

 

二、就学指導の趣旨

心身障害児の就学指導とは、心身に障害が認められる幼児及び児童・生徒

(以下「子ども」ということにします)について、その障害の種類や程度に応じて最も適切な教育が受けられるようにすることです。中心となる仕事は、就学指導の対象となる子ども一人一人を望ましい就学先へ導くために、保護者に対して子どもの就学先を適切に判断し、選択できるようにするための情報や資料の提供をはじめとした援助活動ということになるでしょう。それは、就学指導を担当する者が、子どもにとって望ましいと判断した就学先と、保護者が子どもにとって望ましいと判断した就学先とが一致しなければ、その時点での適切な教育措置は実現しないからです。従って、就学指導は、就学指導担当者の判断と保護者の判断とが一致するよう、適切な相談活動を進め、両者の判断の一致を図る過程であるということができます。

また、適切な相談活動を進めても両者の判断の一致が得られない場合のことを考えると、就学指導は一その担当者と保護者との相互信頼関係を基盤にして進めることが必要となります。そうすることによって、保護者の気持ちが整理できないため、「当分の間通常の学級で留意して指導する」という結果になったとしても、後日の相談活動において確実な前進が期待できることでしょう。

 

三、就学指導のしくみ

就学指導は、子どものための適切な教育措置を行うだけでなく、親に対して心の安定と意識の高まりを図る重要な役割を担っております。親も共に望む教育措置は、就学後の学校教育への積極的な理解と協力を深め、子どもの教育効果を高めるうえで欠くことのできない要件となります。

就学指導体制の整備に関しては、昭和五十三年に文初特第三〇九号による

「教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措置について」(局長通達)によって、体制強化の指導がありました。通達では、都道府県及び市町村の教育委員会に対する指導でしたが、これを契機に、特殊学級設置校では、そ

 

図1 就学事務関係図

 

 

 

 

 


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