教育福島0123号(1987年(S62)08月)-051page
ば。顧問にも聞いた。「生徒は休まずよくがんばっている。格好よすぎるが『文武両道をめざせ。勉強も怠るな。国語も数学も強くなければ柔道も上達しない』といつも言っている」と語る。
今年度、高校総体県大会で史上初の三連覇をやってのけた。他の各校のレベルが向上している中で苦しみながら勝った。主将のことばの続きは、「ほっとしました。期待されていたためプレッシャーがかかりましたが、勝てて嬉しい。先輩も僕たちに練習をつけに来てくれます。ありがたいことです。全国大会で頑張ります」。
グラウンドは、丸太ん棒のような脚でこれからも踏み固められていくことだろう。その足音が更に「伝統、伝統」と聞えるようにしたい。
今も、グラウンドを走るさわやか柔道部選手を見守る眼が多い。柔道部は好間高校の生徒の更に強い支えと自慢の種となり、「わが校には誇り得るものがあります」と生徒は処々折々ほかの高校生に今後も話すことだろう。
輝かしい記録と新しい伝統を作る柔道部
楽しみな学校行事
川内村立川内中学校
私たちの学び舎「川内中学校」は、阿武隈山地の山ふところ、自然豊かな川内村の中央に位置しています。村内には、蛙の詩で有名な詩人草野心平先生の天山文庫があり、近くの平伏沼にはモリアオガエルが生息しています。アメダスの天気予報では、県内で一番寒い記録が出る時もありますが、四季それぞれの変化に富み、味わい深い良さがあります。このようにすばらしい自然環境の中で、私たちは毎日楽しい学校生活を送っています。校舎は、昭和二十五年に建築された木造校舎で、今年で三十七年目を迎えますが、戸や腰板などに触れると木のやさしさや伝統のぬくもりが感じられます。古い校舎ですが、皆で磨いている長い廊下の床の光は、わたしたちが自慢できるものの一つです。
我が校の特色ある行事に「学校林下刈り」と「新年の集い」があります。
「学校林下刈り」とは、年一回全校生が一斉に先輩たちが植林した杉やヒノキの学校林の雑木や草を刈りとることです。植林された杉やヒノキの成長を楽しみに汗まみれになりながらも、心を込めて行う作業の様子は見事です。
「新年の集い」は、三学期の始業式の日に、村のコミュニティセンターで行うもので、校内年賀はがきの抽選会や、学年代表の新年の抱負の発表会など、全校生徒が親睦を深める場となっています。また、保護者の方々が作ってくださる昼食のあったかーいおぞうにのおいしさは格別で、地域の人たちとの交流の場ともなっています。
さらに、生徒活動として活発なのが放課後の部活動です。全校生が運動部に所属しており、「自分たちの部活動」という強い意識を持ち、積極的に活動しています。放課後の校庭や体育館からは、活気のある声が周りの澄みきった山々にこだましています。卒業生の多くが進学する富岡高校川内分校の県大会での毎年の上位進出は、私たち中学生の誇りであり心の支えとなっています。
今、私たち一人一人は、草野心平先生が贈ってくださった「未来を創る」ということばを胸に、未来への希望をふくらませ努力を続けている毎日です。
(生徒会長 青山敏江)
餅つきも全校生徒で(新年の集い)