教育福島0124号(1987年(S62)09月)-034page

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きりと感じました。(中略)

活動の中で特に驚かされたのは、限られた時間内に、頂上まで行った班があるということでした。健康に自信のある私でも、途中で音を上げている有様なのにと、子どもたちの計り知れない底力に舌を巻きました。

一日同行して強く感じたことは、ふだん「気質の荒い浜の子」としか受け止めていなかったわが子たちに、思いやりの心を発見したことと、何ごとにも一生懸命に取り組む養護学校の児童、父兄、教師の姿のすばらしさでした。

2) 本校PTA役員の感想

中村二小と私たち養護学校と、霊山子どもの村で交流学習をすることになりました。私も初めてなものですから、楽しみにして参加しました。中村二小と養護学校の児童が一緒になって、班ごとに山へ登ったり、踊りをしたり、いろいろレクリェーションも次々と楽しくやりました。山へ登るにも中村二小の児童がやさしく手をつなぎ、「がんばって、がんばって」と励ましながら登りました。涙の出るぐらい大変感動させられました。

子どもたちも、楽しい思い出となった一日だったでしょう。また、一緒に勉強しようねと言って、別れを惜しみました。

 

五、まとめと今後の課題

体験を通して、社会性を養い、好ましい人間関係を育てていくため、交流教育を実施してきた。

このたびの三回にわたる中村第二小学校との交流を通じて、児童同士はずっと以前からの友だちのように、健常児と障害児がその立場をこえ、理解と協力を深めることができたことは確かである。それは、中村第二小学校の三年生が、本来もっている純粋な心で、本校の純真無くな児童と活動することによって「心のふれあい」を感じとったからだと考える。

障害児と健常児とが、対等の立場で、将来に向かって共に理解し合い、助け合って社会生活を営んでいけるよう、学校間の交流をもとに、地域ぐるみの交流の輪を一つでも大きく広げていくよう努めたい。

 

大玉ころがし

大玉ころがし

 

合同野外活動の実践

 

−猪苗代町立 中学校と交流−

 

県幸猪苗代養護単校

 

はじめに

 

本校は、県教育委員会より昭和六十一年度養護教育交流推進事業の指定を受け、猪苗代町立長瀬小学校及び同東中学校とそれぞれ交歓会・合同野外活動を実施することになった。

本校では、昭和五十七年度の猪苗代町立猪苗代小学校・同猪苗代中学校との交流活動及び、過去十回にわたる県立若松女子高等学校との交流活動を実施している。今回は、これらの成果を踏まえて特に「人とのかかわりを深めることにした。以下には、猪苗代町立東中学校との交流について紹介する。

 

一、両校のプロフィール

 

(一) 猪苗代町立東中学校

東中学校は、猪苗代町の東部、川桁にある。後方に磐梯山を望み、眼前に猪苗代湖が広がるすばらしい自然環境を有している。

生徒は非常にまじめで思いやりがあり、相手の気持ちを考えて行動できるやさしい心をもっている。部活動も活発で、特に陸上部は往年の陸上の復活と評される大活躍をしている。

生徒総数は百九十七名、今回の合同野外活動には、二年生五十五名が参加し、引率教員四名と地域の協力者三名が指導に当たった。

(二) 県立猪苗代養護学校

猪苗代養護学校は、・猪苗代町の西部磐梯山のすそ野にあり、施設ばんだい学園と提携の養護学校である。

児童生徒数は、小学部、中学部一訪問学級を合わせて九十六名である。今回の合同野外活動に参加したのは、中学部生徒四十七名のうち二十六名である。引率教員七名、地域協力者三名が指導に当たった。

 

二、交流活動のねらい

 

今回の交流活動では、特に、次の三項目に重点をおいた。

(一) 健常児と障害児の中学生が、相手を尊重し、助け合いながら共同生活を営み、友情と理解を深める。

○ 東中学校生徒に対しては、精神薄弱の特性を理解した上で、共に生きることの意義に気づかせる。

○ 猪苗代養護学校生徒に対しては、同年代の多くの友だちと知り合い、活動を共にすることで、社会自立へ向けて意欲と自信をつけさせる。

(二) 合同野外活動を通して、自然に

 

 

 


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