教育福島0124号(1987年(S62)09月)-042page
研究実践
レポート
家庭生活をよりよくする態度を育てるための指導(家庭科、被服領域)
新地町立福田小学校教諭
星信子
●テーマ
製作活動を通して学ぶ喜びを味わわせ、自ら家庭生活をよりょくしようとする実践的態度を高めるための指導
−楽しい小物作りを中心として−
一、研究の趣旨
(一) 研究の動機とねらい
現在の子どもたちが、二十一世紀を生きぬくためには、豊かな創造力と困難に立ち向かっていく強い心をもち、積極的に家庭生活に協力する意欲に満ち、習得した知識と技能を生かして実践しようとする能力や態度を身につけていることが大切である。そこで、家庭科の学習においては単なる知識の理解に終わらせることなく、豊かな楽しい家庭生活を築くことをめざし、生活のあり方を考え、自分にできることを実行していこうとする意識を高め実践化を図ることが必要である。
この研究では、被服領域の導入段階において、何かを作ってみたいという児童の期待、夢を大事にしながら、短時間ででき上がる「楽しい小物作り」を取り上げた。この実践を通して学ぶ喜びを味わわせ、自ら家庭生活について創意工夫をこらし、よりよいものにしようとする意欲、態度、能力を育てたいと考え、本主題を設定した。
二、研究の仮説
製作意欲を持続させるために、「楽しい小物作り」を通して、縫い方の練習をし、用具の扱いかたを身につけさせ、それを家庭生活の中に活用させることによって、被服製作の基礎的知識、技能を習得し、製作の喜びや生活に利用する喜びを味わいながら実践しようとする意欲、態度、技能.(能力)が養われるであろう。
(一) 実践的な態度を育てるために、基礎的な知識、技能、態度を確実に定着させる指導法を工夫する。
(1) 一時間ごとの学ぶ喜びの味わわせ方を意図的に計画する。
(2) 題材の学習内容を明確にし、学習の見通しをもたせ、個人の能力に応じて学習の手順や手だてを設定する。
(二) 実践的な態度を育てるためにおさえるべき基礎的な知識、技能、態度の内容を明確にする。
(1) 玉結び、玉どめ、ひと針ずつ縫うなみ縫いを使って、ハンカチに名前の縫いとりをさせたり、小物作りの作品を仕上げることによって裁縫用具の扱いや基礎的な技能に慣れさせ
表 仮説をふまえた題材の指導計画
特長…全時間とも次時への導入は、前時の終わりに必ず行う。何をどのように行ったらよいか、具体的に指示するので、自発的な子どもの学習は高まる。