教育福島0128号(1988年(S63)01月)-012page

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ったのが8)の段落である。8)を1)から7)までのまとめの段落と考えた者が三名いる。また、9)の段落へつながる問題提起の条件の段落と考えた者が五名いる。これらの児童は、全体構成を五つのまとまりととらえており、「六つ」という指示を与えていれば、8)の段落についてもっと別な角度から見直していたにちがいない。8)の段落は、地球上にキョウリュウがあらわれたころから、地球の主人公になるまでのことを述べているから、一つのまとまりになるという話し合いの結果、8)を意味段落と考えた。そうすることにより、「変わってきたキョウリュウ」という中心話題とも合うことが確認された。〈第一次検証授業実践の反省〉

○ 読み取りに重要だと言われている重要語句(キーワード)を、「○○のこと」と中心話題として書くことにより、自分たちの力で見つけ出しながら学習をすすめてきた。この段落では何のことが分かるか、中心として述べていることは何か、などの視点により、段落の中心話題が次第に焦点化されたものになってきた。

○ この説明文教材に入る前に、言語単元「言葉について考えよう」(こそあど言葉・つなぎ言葉)を学習したのが、段落相互の関係をとらえるのに大きな力になっていた。

○ 説明文特有の表現を理解させることも必要である。問いかけと答え、箇条書き的な書き方などに気付くことは、構成や内容の理解に役に立つ。

(三) 第二次検証授業

〈実践、ガラスの利用〉

(1) 教材について(略)

(2) 教師の働きかけ

本単元の目標は「段落どうしのまとまりに気を付けて内容を確かに読み取る」である。そこで、第一次検証授業の反省をもとに、次のような視点で働きかけをした。

○ 段落ごとに何について述べているのか、一つ一つの段落の中心話題を確かにおさえさせる。

○ 段落冒頭の接続語は、3)の段落の

「また」一つである。したがって、段落冒頭の接続語を手がかりにして段落相互の関係をつかむことは、むずかしい。一つ一つの段落の中心話題、要点をもとに、内容を確かに把握させる。

○ 10)の段落、11)の段落の書き出しの文から、さらに内容がつけ加えられていくことの予想のもとに、大きなまとまりとしてとらえさせる。

(3) 中心話題をとらえる

「ガラスで服ができるなんて……。」読み終わった時の児童のつぶやきである。全く予想もしなかった内容への驚きである。この発見を大事にしながら各段落ごとに、中心話題をとらえていった。

(4) 要点をよくとらえる(資料4)中心話題をもとにして要点をまとめていった。その際、主語をきちんと入れること、指示語は指示内容に変えること、例と考えられる事柄は省くことを指示して、まとめさせた。要点として書かれた内容は、中心話題からそれほどずれたものにはなっていない。

(5) 段落相互の関係をまとめる(資料5)文章全体はいくつにまとまるかを考えさせた結果、次のようになった。

四つのまとまり−−−−一人

五つのまとまり−−−−十九人

六つのまとまり−−−− 四人

無答−−−−−−−−− 二人

○ 段落冒頭の接続語「また」でつな

 

〈資料3〉 「キョウリュウの話」意味段落へのまとまり

 

 

 

 

 


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