教育福島0128号(1988年(S63)01月)-013page
がる2)段落と3)段落は、大部分の児童が、まとまりととらえている。
○ 4) 5) 6) 7)の段落は、どの段落も強化ガラスと合わせガラスが中心、8) 9) 10) 11)の段落はガラスの糸としてまとめられ、ほぼ全員ができている。
〈第二次検証授業実践の反省〉
○ 何について述べている段落かという見方は、かなりあいまいな点もある。一段落一文構成の時など、それが強い。
○ 中心話題を「○○のこと」と書くことは、機械的作業のような面もあるが、次第に段落の重要語句が分かる力となっていく。したがって、段落の主題を意識させる読みの視点としては、よい方向といえる。
○ 段落の中心話題・要点・段落相互の関係という形で実践したきた結果、目あてである「段落相互の関係を把握し全体を見通す力」がついてきたと思われる。
○ 要点のまとめ方には、まだまだ問題が残る。主語欠落の文、指示語・接続語がそのままに使われている文、本文そのままの文など、問題がある。
○ 学力の低い児童にとっては、中心話題と要点を結び付けるということには、かなり無理がある。
(四) 児童の変容(第二次実態調査)
第一次調査と同一の検査を実施した。読解力・読書力ともに第一次調査よりは伸びていることが分かる。(資料6・7)
○ 一次で一番落ちこみのあった主題読みは、他の詳細・推測・指示・批判読みよりは伸びが大きい。これは、文章を読むときの主題意識が、以前よりは増してきた結果と受け取れる。
○ 読書力の伸びは、読解力の伸びより大きく、読解鑑賞力は三・七の伸びであった。読書力の伸びは、読書学年の上昇を示し、学年相当以下の者は第一次調査の1/2にへっている。
○ 読書力が向上している児童は、文法力の向上のほかに、語い力の向上もみられる。 (資料略)
五、今後の課題
段落の要点をまとめたり、意味段落にまとめたりできるためには、教材を分析し、順を追った指導ができるようにする。
内容把握と文章構成把握は、表裏一体のものではあるが、両方を同時にねらうのには無理がある。教材の特質により、重点のおき方を考える。
読字力・語い力・文法力などは、読み深めていくうえでの必要な基礎的能力である。これらの力を、読み取りの中でどう伸ばすかを今後考えたい。また、大事なこととそうでないことを選択して書ける表現力の育成も、大切である。
〈資料4〉 「ガラスの利用」要点のまとめかた
〈資料5〉 「ガラスの利用」意味段落へのまとまり
〈資料6〉 第二次調査読解力平均点
グラフ(5・9月の点数はクラス平均)
〈資料7〉 第二次調査読書力平均点
グラフ(5・9月の点数はクラス平均)