教育福島0128号(1988年(S63)01月)-016page
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(二) Pその二・年間指導計画の改善
今回、飯坂のもも作りを農業単元へ導入し、果樹園の分布から発展した飯坂の土地利用を地理的環境としての国土の特色を扱う単元へ導入することを考えた。そのため、年間指導計画の一部を手直しした。(資料2)
(三) D・授業の実際
(1) 飯坂のもも作り(六月)〔p1-d1-s1〕
1) 単元名「わたしたちの生活と農業」
2) 単元の目標(略)
3) 地域教材の構造
実践にあたり、「果樹(もも)栽培の盛んな様子」、「ももの栽培法」、「もも栽培が盛んになった原因」の三点から諸要素を整理した。今回、ももの栽培法については、第三学年での学習を踏まえて割愛した。
4) 郷土を見つめさせるための手立て
郷土を調べるために資料の必要感を抱かせ、飯坂の農業生産活動を耕地利用や農業生産額の点から他地域と比較させ、資料で郷土を見つめさせようとした。
5) 実践とその考察
課題の設定にポスターを用いたポスターの中の「くだものの里」という言葉に注目させ、事実を明確にして福島以外の人に「くだものの里」であることを教えるため、資料が必要であることに気づかせた。提示した資料によって、特に飯坂は市内の中でも果樹園の割合が多いことを示して、郷土の特色を際立たせた。
盛んになった原因を探る第二時では、昭和四十六年以降の米の生産調整による水田の転作で果樹園が増加したことを、郷土の大きな特色として扱った。
こうした実践によって、郷土の事象に広く目を向けようとした姿があらわれてきた。また、次時から畜産の盛んな大分県久住町を扱ったが、福島のように果樹園がない事実によって、各地域の特色がより際立ったものとなっていった。しかし、今回、見学をせず資料を中心に学習したが、資料によって郷土の実態に迫らせることの限界を感じた。これは、単元五の実践に生かすべき貴重な反省点となった。
(2) 「飯坂焼があったならば」 (十二月)〔p2-d2-s2〕
1) 単元名「わたしたちの生活と伝統的な工業」
2) 単元の目標(略)
3) 地域教材の開発
飯坂には、本単元の目標を達成できる素材がないので、地域教材の開発はできない。
4) 郷土を見つめさせるための手立て
伝統的な工業の役割を考えさせる時、児童の生活と身近な視点からとらえさせるために、「飯坂焼があったならば」といった視点の導入を考えた。また、児童が自分の郷土の特色をどうとらえているかを知る手がかりにしたいと考えた。
5) 実践とその考察
「飯坂焼があったならば」という想定のもと「うちの焼物を宣伝しよう。」として宣伝広告を作らせた。児童が郷土をどう盛り込んでいるかを調べると、「ももの生産がさかんなのでももの絵があります。」(文)、「ももの花の茶わん」(イラスト)、「温泉マーク入りの茶わん」(イラスト)などの表現がある。温泉地の意識が当然強いが、一部先に述べた飯坂のもも作りの実践が反映されていることがうかがわれる。
(3) 飯坂の土地利用(二月)〔p3-d3-s3〕
1) 単元名「日本の国土」
2) 単元の目標(略)
3) 地域教材の構造
実践にあたり、飯坂の土地利用の「概要」、「自然環境」、「社会環境」の三点から諸要素を整理した。
4) 郷土を見つめさせるための手立て
土地利用の概要は地図の作業と読図からとらえさせ、「実際はどうか」などという疑問を解決するために見学の必要感を抱かせようと考えた。また、見学をふりかえり飯坂の土地利用の自然環境と社会環境を整理し、郷土の実態を見つめさせようとした。
なお、対象地域は、地図の作業や見学を考慮し、学校の四方約一q以内の地域とした。
5) 実践とその考察
飯坂の土地利用の学習は地図の作業
〈資料3〉 「飯坂の土地利用」の学習過程
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