教育福島0128号(1988年(S63)01月)-018page
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特選入賞論文
自然事象の中から問題を見つけ、自ら解決でき、理科学習の楽しさがわかる児童を育てるにはどうしたらよいか。
郡山市立大島小学校教諭
長島健司
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一、主題設定の理由
これまでの理科の授業実践から、児童は提示された事象から共通課題を設定し、自ら解決方法を工夫して主体的に取り組めるようになり、課題解決活動に対する学習意欲・態度・能力の向上を図ることができた。
しかし、解決活動に重点を置き過ぎた授業展開になってしまい、予想やまとめの思考活動では、思いつきや、考えのあいまいな結果の処理・分析が多く、事実に即して考えたり、判断したり、推論したりする力が身に付いていないという課題が残った。
そこで本研究では、主題に迫る児童像として次の四点を掲げ、研究の視点として五つの対策を設定して取り組んだ。
主題に迫る児童像
(1) 自然事象から問題をとらえ、事実に即して、筋道を立てて考える力を身につけた児童
(2) 観察や実験から得られた情報を科学的に処理・分析できる児童
(3) 思考活動や解決活動に自ら進んで取り組む児童
(4) 自然を探究する過程で、問題を解決する喜びや楽しさを感じ、自然を愛し、命を尊ぶ心を体得した児童。
二、研究の対策
研究主題に迫るために、次の五つの研究対策を設定した。
(1) 児童が自ら問題意識を持てるように、導入時の事象提示を工夫して授業を展開すれば、主題に迫ることができるであろう。
(2) 学習意欲を高め、科学的な考え方を身に付けるために、『書く』活動を指導すれば、主題に迫ることができるであろう。
(3) 児童の発想や個性が発揮される学習の複線化を図れば、主題に迫ることができるであろう。
(4) 児童の学習意欲を高め、理解を深めるために、教育機器を活用したり教材を開発したりすれば、主題に迫ることができるであろう。
(5) (1)〜(4)の対策の効果をとらえ、児童の学習状態を把握するために、形成的評価を行い、チェックリストを作成して事後指導を行えば、主題に迫ることができるであろう。以下、これらの研究対策の具体的な方法及び内容について述べる。
1) 単元を通した基本的指導過程
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2) 単位時間の基本的指導過程(左・上段表参照)
3) 実践した単元の流れ(左・下段表参照)
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4) 五つの対策と主題との関連
主題に迫るための五つの対策と主題とのかかわり及び相互の関連性を次のように示す。
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