教育福島0128号(1988年(S63)01月)-020page
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「観察活動から取り組んで、課題解決学習を展開した例」
児童一人一人にメダカの入った水槽を準備し、導入段階でメダカの卵や卵を抱いたメダカの観察を提案して、卵の成長の変化に疑問や興味を持たせ、個別に自由に今後の成長の予想、観察計画の立案、そして観察活動を行わせた。
この結果、児童はたねの発芽条件と卵の成長に関連した条件があることに気づき、条件を変えて飼育する考えを発表するようになり、卵の成長を断続して観察したいという課題意識をもって学習に取り組むようになった。
このことから、導入で活動を促す方法は児童に強い問題意識を持たせることができ、主体的な活動をさせる有効な手だてであることが分かった。
対策二の実際
植物の成長「水や肥料の経路」
水や肥料が根から茎・葉に運ばれる経路について、スケッチを通してイメーシ化を図り、運ばれる経路を筋道を立てて考えさせることをねらって、書く活動を重視し、授業を展開した。
児童は、水の輸送の仕組みを推論し、色チョークを使い分けて、根毛から吸い上げられる水の経路を具体的な植物のモデルにわかりやすく書き表わせるようになった。
このことから『書く』活動は、児童に科学的な処理の仕方や思考力を身に付けさせ、主体的に学習させることができる有効な手だてであることが分かった。
対策三の実際
「メダカの餌になる生物を探す」
メダカの餌になる微生物を自作した道具を使い、プール・田・川・沼の四つのコースに分かれて、採集活動を行う学習の複線化を図った。
その結果、児童は教室を離れ、積極的に採集活動に取り組み、メダカの餌になる生物は、田や沼に多く生息していること、緑色の動かない生物と毛を持っていて動き回る生物がいることに気づいたり、魚がこれらの生物を食べることを推論したりできるようになった。
このことから、学習の複線化は、児童の主体性を高め、理科学習の楽しさを体得させる有効な手だてであることが分かった。
対策四の実際
「児童一人一人にメダカを飼育させ教材の個別化を図った例」
児童にメダカの雌雄の特徴、産卵の様子、子メダカの成長を学び取らせ、かつ、生命の連続性、神秘性、命の大切さを感じ取らせるためには、一人一人にメダカを飼育させ、世話をさせることが大切と考え、児童にミニ水槽とメダカ四匹(雌雄混合)をわたして、飼育させながら、学習を展開した。
その結果、児童は、「自分のメダカだ。」という喜びと責任感をもって世話をするようになり、命を大切にしなが
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観察から課題をつかむ児童
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考えの文章化・図式化を図る
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田コースを選び、自作教具を使って微生物を採取する児童
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一人一人が各自の水槽で教材の個別化を図る
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