教育福島0128号(1988年(S63)01月)-033page

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イ 理科における実践例

○ 三年「風車」の学習

この単元では、一人一人の発想を生かした風車を作るなかで、よく回ることを確かめる工夫として、ゴムやバネの伸びる長さや持ち上げる重りの数の違いなどを主体的にとらえていくように展開してみた。

児童の個性を生かした追求活動が中核をなし、一人一人の問題場面に応じた個別指導がなされ、最後まで楽しくあきずに学習が進められていった。

個を中心においた、個を前面に出した学習ではあったが、「話し合い」や「教え合い」「みがき合い」の集団学習を大切にした展開をはかり、一人一人に満足感を味わわせることができた。

 

ウ 合科的な指導における実践例

○ 一年「かげあそびをしょう」

合科的な指導のなかでは、態度→技能→認知という方向をたどるという考えから、態度面にスポットをあてて研究を進めてきた。

この単元では直接体験を重視し、身体活動を大切に、表現活動をいっぱい取り入れた展開をしてみた。

校庭でかげふみ遊びやかげつなぎ遊びをして「かげ」に興味をもたせたあと、部屋の中でかげをつくる遊びに発展した。そして、

一人一人に自由な発想で、表現したい「かげ絵」をつくらせ、創造性を育てる学習に入った。自分のかげ絵をつくり、映しながら色セロファンの工夫なども発見させ、つくったかげ絵の発表会をもった。そのあとで、かげ絵げきをつくり、楽しい活動に発展した。

2) 指導の個別化に重点をおいた国語

尊数と「とりたて」指導の実践

 

ア、国語科における実践

○ 六年「文章の要旨を確実に」

今年度は説明文を中心に、能力や課題に応じた個別指導に力を入れ、自学の態度を育てようと考えて基本的な授業システムを検討し、実践化に取り組んできた。

 

イ、算数科における実践

図形や量と測定の領域は、比較的自己決定のできる内容を含み、数と計算数量関係については基礎的なスキルの内容が強い。そこで、基本的な授業システムを大きく二つに分けて検討し、実践化に努めてきた。

○ 四年「おれ線グラフ」(資料参照)

 

ウ、とりたて指導(特設時間)

国語科は言語事項を中心に、算数科は計算技能を高めることを重点に、内容や方法を自己選択にまかせて実施してきた。(具体的な内容は省略)

 

六、研究の成果

 

自己学習力を育成するには、学習の過程を重視するという考えに立ち、個別化学習のあり方を追求してきたが、その評価は、子ども達の活動を率直に観察し、どのように目標達成しているかを直視することにあると考えてきた。

一人一人の学習をチェックして記録を取り、変容を見てきた結果として

○自らの意志決定によって探究し、自らの行為に責任のもてる子どもに育っている。

○学習に対する興味関心が高まり、意欲的に活動するようになっている。

これらの点が、一人一人の子どもにあてはまる成果であると言えるだろう。

また、教師自らの変革もなされ

○子どもの活動を中心にすえ、援助に重きをおいた指導を志向するようになった。

○学年・学級のわくを超えた指導を志向し、協力教授組織を確立して効果的な指導がなされるようになった。

子どもの個性化をはかると同時に、教師の個性化にもつながり、楽しい学校が実現した。

 

七、今後の課題

 

○特別活動についても研究的に取り組んでいるが、今後更に研究教科等の幅を広げ、実践を積み上げていきたい。

○「とりたて」指導の内容の取り上げ方や方法について、実践的な研究を深めたい。

○評価は教師の立てた目標達成という立場だけでなく、自己評価も大切である。個別化学習においては、自己を見つめることは大切な要素であり、そうした評価のあり方について更に研究を深めていきたい。あわせて、通知票についても検討したい。

○学習の手引やワークシートたどの学習材の累積に努力していきたい。

 

3年「風車」10時間

6年「文章の要旨を確実に」14時間

 

6年「文章の要旨を確実に」14時間

4年「おれ線グラフ」10時間

 

4年「おれ線グラフ」10時間

 

 

 

 

 


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