教育福島0129号(1988年(S63)02月)-006page

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提言

 

二十一世紀のための教育の目標

 

元臨時教育審議会事務局調査員 北尾美成

 

元臨時教育審議会事務局調査員 北尾美成

 

【筆者紹介】

 

北尾 美成・きたおよしなり

 

昭和二十三年

大阪府堺市に生まれる

昭和四十五年

京都大学文学部哲学科卒業

同年

文部省入省

昭和五十四年

宮城県教育庁行政課長

昭和五十六年

文部省大臣官房調査統計課課長補佐

昭和五十七年

同大学局医学教育課課長補佐

昭和五十九年から六十二年八月まで総理府に置かれた臨時教育審議会事務局調査員として勤務、以降文部省に復帰

 

一、ひろい心、すこやかな体、ゆたかな創造力

二、自由・自律と公共の精神

三、世界の中の日本人

(臨教審第二次答申、第四次答申)

臨時教育審議会は、去る昭和六十年六月の第一次答申において「今次教育改革は、教育基本法の精神にのっとって進められるものである」ことを確認した。同審議会は、この基本的考え方のもとに、第二次答申作成に至るまでの間に、教育基本法の精神が、今後の教育に生かされるよう、その正しい認識の確立に努め、これを基礎に、二十一世紀に向けての教育の具体的、実践的目標と方法を明確なものとするという視点に立って審議を重ねた。

その結果、第二次答申では、教育基本法の精神を基礎とし、教育の歴史と現状や未来展望についての分析と、教育改革の基本的考え方である「個性重視の原則」を踏まえながら、「現段階でまとめてみると」として、特に重要なものとして冒頭に掲げた、二十一世紀のための三つの教育の目標を呈示したものである。

このうち、教育基本法の精神について、臨教審は大略次のような理解を示した。

同法第一条は、教育の目的が、「人格の完成」にあり、「平和的な国家及び社会の形成者」としての「心身ともに健康な国民の育成」にあるとしている。答申では、「人格」とは、理想的な人間の類型であり、「人格の完成」とは「理性と自由の存在を基本前提として、人間が限りなく真・善・美の理想に近づこうとする営為の中にある」との理解を示して

 

 

 


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