教育福島0129号(1988年(S63)02月)-019page
生徒指導
生徒指導の主要な機能は、すべての児童生徒に自己決定の場を与え、自己存在感を感得させ、人間的ふれあいを深めることであり、この機能は学校の教育活動のすべての場に作用させることが大切である。この認識に立って、次の点に努力する。
一 教師の共通理解を深め、指導体制を確立する
(一) 自校の生徒指導の課題について教師間の意識を高め、実態に即した指導組識を工夫し、役割分担を明確にして実践に当たる。
(二) 学級経営を充実し、教師と児童生徒及び児童生徒相互の望ましい人間関係の醸成に努める。
(三) 生徒指導に関する研修を計画的に実施し、カウンセリング技能等の習得に努め、指導力の向上を図る。
二 課題の解決をめざした指導計画に改善する
(一) 自校の課題に基づいた全体構想と指導の重点により、具体的な指導計画を全職員の参加で立案し、指導の場と方法を明確にして実践する。
(二) 実践の評価を適時、適切に行い、指導計画及び指導法の改善に努める。
三 児童生徒の理解と教育相談の充実に努める
(一) 児童生徒との日常的な触れ合いの機会を多くし、一人一人の思考、感情、悩み等、内面的な状態を把握するように努める。
(二) 各種の調査や検査を計画的に実施し、日常の観察と併せて児童生徒を多面的、共感的に理解するように努める。
(三) 学校における教育相談の特質を踏まえ、教育相談を通して児童生徒の理解を深め、自己実現を図る。
(四) 教育相談に関する基礎的な知識や技術の習得に努める。
四 学業指導の充実強化に努める
(一) 一人一人の人格、個性、能力を尊重し、生徒指導の機能を生かした授業の展開に努め、成就感、存在感を味わわせるようにする。
(二) 学級担任と教科担任との連携を密にして、個に応じた学業指導を推進する。
(三) 児童生徒が互いに認め合い、励まし合う、信頼関係に支えられた授業の展開に努める。
五 児童生徒の非行等問題行動の防止に努める
(一) 登校拒否、家出等問題行動の徴候の早期発見、早期対応のため、実践的な研修に努める。
(二) 学校内外における児童生徒の日常生活の実態を的確にとらえ、非行の未然防止に努める。
(三) 問題行動を繰り返す児童生徒については、全教師が一貫した態度で指導に当たる。
(四) 地域や関係機関・団体と常に連携を図り、児童生徒の健全育成に努める。
六 家庭や地域との連携を深める
(一) 学校と家庭が相互に補完しながら
児童生徒の基本的生活習慣、社会規
範等の指導に努める。
(二) 児童生徒の家庭環境、両親の養育態度等の理解に努め、連携の在り方を工夫する。
(三) 小・中・高等学校間の連携の在り方について工夫し、一貫した生徒指導を進める。
進路指導
進路推導は、生徒一人一人が将来の職業生活において自己実現を図ることが出来るよう、自らの進路を主体的に計画し、選択することを指導・援助する教育活動であり、将来の生活のあり方や人生の生き方の指導でもある。
したがって、進路指導を進めるに当っては、三年間を見通しながら学校の教育活動全体を通じて計画的、組識的に個々の生徒の能力・適性当の的確な把握に努め、その伸長を図るように指導することが大切である。
このため、次の点に努力する。
一 進路指導についての共通理解を深め、指導体制を確立する
(一) 進路指導の意義や重要性についての理解を一層深め、進路指導主事を中心に全教師が一体となって組織的に指導できる体制を確立する。
(二) 進路指導の当面する課題を明確にし、校内研修を通して具体的な指導の在り方を工夫する。
二 地域や学校及び生徒の実態に即して指導計画を改善し、指導の充実を図る
(一) 指導が進路の選択や進学指導に偏ることなく、進路指導本来のねらいが十分達成できるようにする。
(二) 教育課程に進路指導を明確に位置づけるとともに、学級指導における進路に関する学習のための時数の確保に努め、その指導を充実する。
(三) 進路指導が第三学年に集中するこ