教育福島0129号(1988年(S63)02月)-030page
やものの見方などについての基礎的な理解を得させる。
三 指導に生きる評価を工夫する
(一) 知識の習得状況だけでなく、三領域四技能と英語学習に対する関心・態度を総合的に評価する。
(二) 目標やねらいの達成状況を確かめる評価を指導過程に位置づけ、その結果を指導に生かすようにする。
(三) 生徒の自己評価や相互評価を積極的に取り入れ、学習意欲を高め、自ら学習しようとする態度を育てる。
高等学校教育
−各教科の指導の重点−
−農業・水産・工業・商業−
−特別活動−
−進路指導−
−生徒指導−
各高等学校においては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、生徒や地域の実態に即応した教育課程を編成・実施し、生徒にとって魅力のある学校づくりを進めることが強く望まれる。
また、国民的教育機関としての高等学校教育のあり方について、全教職員の共通理解を図りながら、生徒一人一人をいかす充実した教育活動を展開することが期待されている。
このため、生徒の能力・適性・進路等に即した学習指導を展開する必要がある。
また、生徒の個性伸長と適切な職業選択の能力を養うために、進路指導の充実・強化に努力する必要がある。
日常の向上を図ることが望まれる。
国語
国語を的確に理解し、適切に表現する能力を身につけさせるため、学習指導の展開について、一層の創意工夫を図ることが必要である。
一 国語の基礎的・基本的な能力を身につけさせる
(一) 漢字の読み書きや基礎的な言語事項の指導の徹底を図る。
(二) 表現するための基礎的・基本的な力の養成を重視する。
二 文章の正しい解釈・豊かな鑑賞の能力を身につけさせる
(一) 生徒の読みにおける個性を大切にしながら、正しい読み、深い読み、価値の高い読みへと導き、豊かな人間性を培うための指導をくふうする。
(二) 文学的文章の指導にあたっては、すぐれた表現を味わうとともに、文学的体験を通して生徒自らの人生を豊かにすることをねらいとする。
(三) 説明的文章の指導にあたっては、文脈や文章の正しい理解のうえに立って、筆者の認識・思考の内容を的確にとらえさせることを重視する。
(四) 古典の指導にあたっては、基本的な語句や語法の理解を図りながら、古典の世界を享受させ、伝統的な言語文化に対する関心と興味を一層深めさせることを大切にする。
(五) 人格の陶冶に役立つ読書習慣を形成するための、適切な指導を行う。
三 表現力の向上を図り、正しく豊かな文章を書く能力を身につけさせる
(一) 適切な教材を準備し、表現技術の向上を図るとともに実際に作文を書く機会を多くする。
(二) 表現の学習と、理解の学習との関連を図りつつ指導を展開する。
四 教材研究および効果的な指導方法についての研究を深め、実践する
(一) 教材の的確で深い読みとりに努力するとともに、指導過程を改善し生徒の学力実態、教材の質に応じた適切な指導方法を研究し、実践する。
(二) 教材の質によって、論理性を重視してとらえる学習と感性を重視してとらえる学習、また、精細に読みとる学習と概括的に読みとる学習を適切に組み合わせる。
(三) 総合的な国語能力の育成のために表現領域と理解領域、現代文と古典を関連させた指導のありかたをくふうする。
社会
昭和六十三年度は現行教育課程が実施されて七年目をむかえたが、生徒の実態を踏まえた多様な教育課程の編成と実施が一層強く望まれている。今年度はこうした趣旨をよりよく生かすために、次の次項について努力したいものである。
一 指導計画の改善に努める
(一) 社会科全体の目標と各科目の目標内容を的確に把握し、科目間の関連を図るとともに、地域や学校の実態と生徒の能力・適性・進路等を考慮した、弾力のある指導計画の作成に努める。
(二) 中学校の学習内容との関連に十分留意し、社会と人間の諸問題に対処